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2016年1月20日 (水)

10分でわかる えーを言わない方法

中学生の時、校長先生が「えー」ばかり言うので、よく「えー」の回数をカウントして暇をつぶしていました。
「えー」ばっかり使って変なの!と思った記憶があります。

この話しを後輩から聞いた時、そんな若い頃から「えー」に問題意識を持っている人がいることに驚いた。
自分はまだ10年あまりだ。



えーを言わないと決めたのは今から10年前。
そのきっかけは市川寛子。
彼女が「えー」に苦しむ姿を毎晩見ていたからだ。


テレビ朝日アナウンサー市川寛子は、当時「報道ステーション」のお天気キャスター。
いつもは六本木ヒルズの屋外から、明日の天気予報を読む。
時には全国各地へ出向き、新たな季節が芽吹く風景を背景にすることもある。

まだアナウンサーとして日が浅い市川が一生懸命、寒さをこらえながら天気を伝える姿に好感し、毎晩それを見るのが楽しみだった。
ただ、一点を除いては。


それが市川の「えー」である。
放送の前面に立つ者として「えー」「あのぉ」と言った口癖は禁忌である。
トレーニングにおいて、指導員から注意されているはず。
事実、彼女は「えー」を撲滅しようと戦っているようにみえた。
つい「えー」を言ってしまった時、薄顔有恥(厚顔無恥の反対)な彼女がうっすらと表情に出す「しまった」が痛々しかった。


その姿をみて一緒に戦おうと思った
というわけではない。
自分も「えー」をやめなければならないと考えたのだ。

当時、SEとしてプレゼンターや研修講師として、あるいはプロジェクトの司会として、人前で話す機会はとても多かった。
市川が「えー」に苦しむ姿を我が身に置き換えた時、自分も思いの外「えー」などの口癖が多いことに気づいたのである。

その時から「えー」を言わないと決めた。


以前、知人のサトウさんが「えー」からの脱却に取り組んだことがあった。
彼は人生で初めて仲人を引き受けることになり、仲人挨拶で「えー」を言うのはみっともないと考えたのだ。
同僚に向かって「会議で僕がえーを言ったら1回100円払います」と宣言して、自らを追い込んだサトウさん。
それでも、仲人挨拶では何度か「えー」を言ってしまったという。
あれから数十年、久しぶりに「その後どうですか?」と尋ねたところ「あの時だけだったね。今じゃすっかり元通りになってしまったよ」とのことだった。

「えー」は逃れたと思って油断していると、再び取り憑いてくる厄介な魔物のようだ。



どうすれば「えー」を言わないで済むのか?
考えてはWebページとして記録に残し、実践する。
しばらく経ってWebページを見直す。
効果がある項目は残し、そうでなければ消し去る。
そうして更新し続けているのが「えーを言わない」ページである。
ちなみに現在「えーを言わない」というキーワードで検索すると、Google、YAHOO!ともに「2番め」に表示される。



「えー」を意識してアンテナを立てているため、他人の話を聞く時「えー」が耳につく。
そのうち「えー」を言うか否かが、人を判断する基準の1つになった。


一般サラリーマンは全滅である。
すなわち、誰もが「えー」を言う。
「えー」を言わない人を見た(聞いた)ことがない。

ある時、プレゼンでまったく「えー」を言わない人がいた。
驚いた僕は、本人に「えーを言わないことを意識しているのですか?」と尋ねてみると「いいえ。原稿を棒読みしていただけです」という答えが返ってきた。
それはそれで「えー」を言わない1方法であると学んだが、自分はそういうところを目指してはいない。

つづく

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