「32」のW杯よりも面白い「24」のユーロ
ユーロ2016はユーロにとっての大改革があった。
ユーロ2012まで参加する国と地域は「16」だったが、8チーム増えて「24」となったのである。
試合数は31試合→51試合に増加。期間も10日ほど長くなった。
決勝トーナメントに、前回まではなかった「ラウンド16」が追加される。
出場枠が増えた中で、強豪国のオランダが出場権を逃したのは意外だ。
一方、我らがポルトガルは、ポルトガルらしからぬ順調な勝ち抜けで出場を決めている。
クリスチアーノ・ロナルドにとって、恐らくこれが最後のユーロとなるだろう。
出場枠が増えたことにより、初出場が5チームある。
組合せは強豪国が分散して、極端な「死の組」がなくなった。
【 ユーロ2016 時系列の記録 】
2010年5月
フランス開催が決定。
最終候補:イタリア、トルコ、フランス
2014年9月
予選開幕
2015年12月12日
組合せ抽選会
2016年6月10日
開幕戦
2016年7月10日
決勝
「24」という出場枠はW杯の「32」よりも少ない。
だが、世界全体で「32」枠のW杯は、アジアから弱い国が多数参加するため、内容の乏しい試合が散見される。
では欧州の「24」はどうだろうか?
前回ユーロ2012まで出場枠「16」のユーロは、どの試合もハズレがなく面白かった。
それならば、もう少し水増しても大丈夫。
「その方がもっと儲かるし」と考えるのは正しい。
31⇒51と一気に20試合も増えれば、興行と放送権で莫大な増収となるだろう。
では、水増しした分、退屈になるかというと、それは間違いない。
いつもならば、首の皮一枚プレーオフで滑り込むポルトガルが、悠々1位で勝ち抜けたことをみても、予選段階からぬるくなっているのがわかる。
ただし、それはあくまで「16」枠のユーロと比較した場合の話だ。
ここでは「32」のW杯と比較してどうかということが、論じられなければならない。
その議論の基礎となるのが、傘下にある国内リーグの充実である。
欧州には51の国と地域にプロリーグがある。
日本のサッカー誌、テレビで報道されるだけでも、以下のようなものがある。
【 欧州主要国のリーグ戦 】
■スペイン:リーガ プリメーラ・ディビシオン
■イングランド:プレミアリーグ
■イタリア:セリエA
■ドイツ:ブンデスリーガ
■フランス:リーグ1
■オランダ:エールディビジ
■ポルトガル:スーペルリーガ
これら欧州を除いた「世界」を見た場合、これに匹敵するレベルを維持しているのは、ブラジルの「カンペオナート・ブラジレーロ」アルゼンチンの「プリメーラ・ディビシオン」までではないだろうか。
つまり「世界」の強豪は「欧州」に集中している。
「世界」のW杯では「欧州」の出場枠は「13」
各大陸と発言権の強い地域に出場枠を割り振った結果、欧州の強豪国が出場できていないのである。
アジア「4.5」枠のチームと欧州の「14位~17位」がプレーオフで対戦したら、恐らくアジアの出場枠は実質0になってしまうだろう。
「世界」のW杯では「13」枠のために、出番のなかった「欧州」勢が「24」枠出そろう。
それは恐らく、W杯よりも水準の高い、つまり見ていて面白い試合が多い大会になるだろう。
「16」枠のユーロは格段に面白かったが「24」のユーロもW杯に較べれば面白い。
これが、しらべるの結論である。
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