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2016年1月22日 (金)

中学生はえーを言わない えーは何歳から始まるのか?

10分でわかる えーを言わない方法(3)

僕は親友のMにメールを送った。

最近、興味深いことがあって、中学校教諭のMに頼みがあります。
テレビを見ていて「中学生はえーを言わない」ことに気づいたのです。
意見をいう時、大人は「えー」「あの」を挟むけれど、中学生は一切言わなかった。
そこで、今度、生徒が意見を述べる時「えー」を言うかを、注意して見てもらえませんか?
プレゼンの講師をしていて「えーを言わない」方法を、生徒に教えているのです。
子供の頃は、誰も「えー」を言っていなかったという仮説が正しければ、えーを言わなくなるヒントがあるかなと思うわけです。


数日後、Mから返事が来た。

「確かに中学生は、えーは言わないね。中学生は、大人がえ~を言う間(ま)は、黙るね。たぶん大人と違って間を持たせようという、意識がないのだろう。ただ、えっと~と言う生徒はいるよ」

やはり、そうか!

念のために小学校教諭にも尋ねた。

小学校教諭T氏談
「小学生は、えーとかあのとか使わないね。二年生の担任なので、上級生のことは、はっきりわからないけどね。低学年の子は、使わないね」

小学生、中学生、子供たちは「えー」を使っていないのだ。
そこで当然の流れとして「えー」はいつ、何歳頃に獲得するのか?という興味が出て来る。

高校教諭と現役大学生に尋ねた。

高校教諭T氏談
「高校生はえーとか使わないよ。田舎にはかっこつける生徒はおらんけんね」

大学生R氏談
「大学ではあまりプレゼンとかないから、よくわからないけど、えーを言う人は居ないんじゃないかな」


恐らく「えー」は会社に入り、先輩から伝染するのだ。
社会人には守るべき地位、立場が発生する。
言葉を慎重に選び、自分を誤解なく伝える必要がある。
そのために、間が取れる「えー」は必須ワードなのである。


そう結論づけようとしていた時、新たな情報が眼前に飛び込んできた。
2015年11月、スマホの実証実験でNHK Eテレ「高専ロボコン予選」を見ていた時だ。

常勝有力校の生徒がテレビカメラの前でインタビューを受けている。
彼はある程度まとまった分量を一気に話す間、何度も「えー」を挟んでいたのだ。


これらのことから、行き着いた結論はこうなる。
人は「守るべき立場」と「プレゼン」「インタビュー」と言った、まとまった分量を一人語りする機会を得た時から「えー」を獲得する。

従って大半の人にとっては、会社員という立場を手にいれて「プレゼン」「会議での報告」と言った機会を得た時から「えー」が始まるということだ。

事実上、20歳、22歳といった時期になるだろう。
会社・社会の先輩が「えー」を使いこなしている。
その姿をみて「おぉ、あのえーっていうのは便利そうだな」と感服するわけではない。
あまり物事を考えず、たいしたことを言っていない人でも「えー」を使いこなせば、いっぱしのサラリーマンとして通用する。
世の中を渡っていけると言うことを、目の当たりにする。
「えー」の便利さを知ってしまうのだ。


これには人の「性弱説」があてはまる。
目の前に邪悪な誘惑がある。
楽をして、世間が渡れるならば、こんな甘い汁はない。
そして、人は弱い。
その悪しき習慣「えー」を身体に吸い込んでしまうのだ。
そして、一旦身体に染みついた楽な習慣は、なかなか抜けない。

つづく

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