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2016年2月23日 (火)

5分でわかるシュレディンガーの猫

「シュレディンガーの猫」は正式に言うと「シュレディンガーの猫のパラドックス」です。
以下は「シュレディンガーの猫」と表記します。


「シュレディンガーの猫」は、オーストリアの物理学者「シュレディンガー」が1935年に提唱した学説です。

それは、量子論のうち「コペンハーゲン解釈」への反論として提唱されたものです。


まずはじめに「コペンハーゲン解釈」を簡単に説明します。

■コペンハーゲン解釈
1927年、物理学者が集まって出した量子論の解釈。

その主張の要旨
■万物は観測した時点で存在する。観測されなければ存在しない。
■万物は"重ね合わせの状態"にある。

ちなみに、集まった場所がコペンハーゲンというわけではなく、中心となった学者ニールス・ボーアが「量子論を確立したのはデンマークである」という主張に因み、デンマークの首都「コペンハーゲン」を冠して命名しました。

コペンハーゲン解釈に沿って考えると、宇宙は心を持っていて、人の心を読み取ってその願いを実現してくれる。ということになります。

今、ここを読んでいる方の中でも賛否が分かれると思います。


シュレディンガーはこの「コペンハーゲン解釈」に齟齬あり!として反論しました。

たとえば、こういう実験をした場合どうか?と問うたのです。

鉛の箱に放射性物質と猫を入れる。
放射性物質から放射線が出た場合、猫が死ぬ。

さて、箱を開ける前に猫の生死が決まっているのか?箱を開けたときに生死が決まるのか?という問いかけです。


シュレディンガーは言いました。
「猫が半分生き、半分死んでいると言うことはあり得ない。箱を開けるまで、猫は死んでいるとも、いないとも言える"重ね合わせの状態"にあるとするコペンハーゲン解釈は誤り」


2012年には、東大の古澤明教授が「「シュレディンガーの猫のパラドックス」が解けた!」という著書で、シュレディンガーの論説に反論しています。

古澤明教授は、1996年に世界で初めて「量子テレポーテーション」に成功した量子光学のトップランナーです。

テレポーテーションと言っても、SF映画や「ドラえもん」のような、物の瞬間移動ではなく「光と鏡で作りだした量子に電圧をかけて、もう一対の量子を作る」ことです。

今、世界じゅうで開発競争が行われている量子コンピューターにも活用される技術として、期待されます。


人が言ったことや、ネットに書いてあることを本物であると錯覚するのが現代の高度情報化社会の悪いクセ。
自分の目で見るまでは本物ではない。
それは、量子論コペンハーゲン解釈につながる考え方であり、シュレディンガーの猫のパラドックスとは真逆にあるものです。

いかがですか?
「シュレディンガーの猫」がそれとなく、おわかりいただけたでしょうか。

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