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2016年3月31日 (木)

クロスという言葉に弱い

クロスという言葉に弱い。

黒須さんという知人がいて、それがとても可愛い人だという話ではない。
健康のために黒酢(それはくろず)を欠かさないわけでもないし、台拭き(cloth)を集めるのが趣味というわけでもない。

ここでいうクロスは「交わる」のcross だ。


クロスという言葉に弱くなったのは、1996年暮れに出会った一足の靴からである。
その名は「NIKE AIR NOMO MAX」
この靴に出会ったお陰で、僕はその後の人生で100足近い靴を買い集め、置き場所がなくなって、部屋には馬喰町の西川金太郎で買ってきた靴ラック什器まで設えてしまった。


NOMOMAXは、近鉄からドジャースに移籍したメジャーリーガー野茂英雄のトレーニング用として作られた靴。
ナイキのカタログには、そのカテゴリーとして、生涯で初めて見る単語「クロストレーニング」が書かれていた。


外から見える「ビジブルエア」を搭載した靴「airmax」のカテゴリーは「ランニング」
ナイキでは、それ以外に「baseball」「bascket ball」「football」「ACG(All Condition Gear)」といったカテゴリーがある。


当時、発売されていたムック「ナイキ完全読本vol.3」によると、この靴は次のように説明されている。

(以下引用)
多様なトレーニングもすべてこの一足で
屋内でのウェイト、屋外でのランニングといった幅広いトレーニングもすべてフォローしてくれるノモマックス。クッション性、安全性はもちろんのこと、耐久性もバッチリ。ベースボールプレイヤー以外のアスリートにも履いてもらいたいモデルだ。
(引用おわり)


言われるまでもなく、野球はおろか、当時スポーツと呼べるものは何もしていなかったが即ゲット。
この靴を手にしたことをきっかけに「散歩」を始めることにした。


クロストレーニングの定義は「技量を上げるため、異なるスポーツを行うトレーニング」
野球の選手がオフシーズンにゴルフをする
陸上で故障した選手が水泳を取り入れる
スピードスケートの選手がバイク(自転車)をこぐ

このようなことが、クロストレーニングと呼ばれる。


今「マラソン」という競技に取り組んで10年が経った。
記録は完全に頭打ち。
これを打開するための新機軸を打ち出したい。


そんな時、再会したキーワードが「クロストレーニング」
「毎日走らないと気持ちが悪い」といったランニング愛好者ではないので、マラソン直前3ヶ月以外は走りたくない。
だが、そろそろ、この9ヶ月に踏み込まなければならない。

記録が伸びないのを歳のせいにして
「もう歳だから」という自虐的な口癖は、思考停止者の合い言葉だ。

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