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2016年4月23日 (土)

売れてはいけない通販広告のトータルマックス

TOTAL MAX SCを知ったのは、当時、複数の月刊誌が出ていた「コレクター雑誌」の通販広告だった。
Boon、Cool、GETON!、ブレイクギア、そして後にJACK(1997年6月号創刊)
これらの誌面を書店で見定め、その中からとびきりのホットニュースが載っている雑誌を買っていた。
世はまさに(と言ってもコレクターの世界に限られるが)「ナイキブーム」と「G-SHOCKブーム」が並行していた時期。
誌面の主軸はそれらの新製品、あるいはデッドストックが何処で買えるかと言うことだった。

さてTOTAL MAX SC。どの広告を見ても、4万円を切って掲載している店はない。
「NOMO MAX」は15,000円→28,000円のプレ値で買ったが、TOTAL MAX SCは元値の3倍を超えている。
さすがにそれに手を出すことは、自我が許さない。

そんなある日、郊外型スポーツ店「スポーツオーソリティ」でTOTAL MAX SCの「抽選販売」を受け付けていた。
ここはプレ値で売る店ではないので、当たれば正価で買うことができる。
応募用紙に記入して応募箱に投函した。

同時期にブームだった「G-SHOCK」ではこのような「抽選販売」があちこちで行われていた。
後にG-SHOCKの抽選に何度か応募することになるが、靴の抽選に参加したのは、これが最初で最後となった。

1997年はインターネットが一般に普及し始めた年だが、まだヤフオクはない。
ニフティのコレクターフォーラムで販売情報を知ることができたが、とっておきの情報は誰も公の場に書いたりはしない。

後にネットを通じて仲良くなった人どうしで情報やモノを融通しあうということもあったが、この時はまだそんな仲間もいない。

通販広告で出会ってから6日め。
ニフティの「売ります・買います」掲示板の件名にTOTAL MAX SCを見つけた。
そこは「売ります」と「買います」が混在している掲示板。
ニフティの会員ならば、誰もが閲覧することができた。

TOTAL MAX SC
38,000円
US10(28.0cm)

安い・・(いや、安くないぞ^^;)

正価の2.5倍だというのに、通販広告相場を見ていた僕には安く見えたのだ。
あまりの欲しさに。

今ならば、4万~5万円台というプレ値では、誰も手を出さなかったとわかる。
「並行輸入品」だから大量仕入れ品ではない。
恐らく1点。あっても2点。

サイズという概念がない「G-SHOCK」などとは違い、靴には「サイズ」という厄介者がある。
いくら欲しくても、ジャストサイズ27cmの人が29cmを買ったりはしない。
しかも、時計と違って、靴は劣化が速い。
靴の転売は 短いスパンで売り切ってしまわねばならない。
雑誌広告に出して、虎の子の1点があっさり売れてしまっては、商売としてうまみがない。
プレ値のTOTAL MAX SCを撒き餌にして、寄ってきた客に他のモノを買ってもらう。
そのために、雑誌に載せるプレ値は「すぐ売れてしまう値段」ではいけないのだ。

掲示板を見た僕は、すぐに売り主にメールを送った。

つづく

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