わが心の期日指定メール
期日指定メールを外すことにした。
それは、ニフティのメール・オプションサービス。
ニフティのWEBメール(ブラウザーで読み書きするメール)画面で送信の操作をする。
メールを一通り書いたあと、画面下にある「送信日時」にチェックを入れると、日時の窓が開く。
そこに月日時間を指定して、送信する。
4月20日1時を指定した場合、そのメールは一旦「期日指定」フォルダーに入る。
設定した日時までに内容を修整することもできるし、送信を取り消すこともできる。
設定日時になると、相手に送信される。
@niftyがまだパソコン通信「Nifty-Serve」だった頃は、メールのヘッダーに「sdate:960401」のように指定すると、年月日指定で送ることができた。
当時はまだ20世紀だったので、西暦を末尾2桁で表現するシステムが主流だった。
この機能で一番の思い出は、2週間の海外出張の間、担当事務の女性に毎日ファックスを送ったことだ。
出張といっても、その間ずっと洋上にいる仕事。
当時、携帯電話は持っていたが、海外では使えなかった。
メールは「パソコン通信」ユーザーが個人的に使っていたが、会社では使われていない。
従って、送り側は「期日指定メール」受け取り先は「FAX」という組み合わせになる。
従って、送り側は「期日指定メール」受け取り先は「FAX」という組み合わせになる。
ニフティのメールはヘッダーに「f:電話番号」を記述することで、ファックス送信ができたのである。
予め、その日立ち寄る港での出来事や、船の上での生活を空想でしたためた原稿を2週間分「期日指定」しておいた。
予め、その日立ち寄る港での出来事や、船の上での生活を空想でしたためた原稿を2週間分「期日指定」しておいた。
帰国してから、届いたファックスを見せてもらった。
タイムスタンプはいずれも明け方。
彼女はそれを家宝のように大事にとっていてくれた。
毎朝、僕がそれを送信していると信じて疑わなかったのだ。
遠く異国の洋上、船の中にあるファックスの機械から送信ボタンを押している僕の姿を想像していたのだろう。
パソコン通信時代は「無料」だった期日指定メールは、プロバイダーサービスに移行後は毎月「100円」になった。
もう、通信環境のない所に出かけて、誰かにFAXを送ることもない。
Googleカレンダーがパソコン、スマホで同期できる現在、自分へのリマインドメールはもう要らない。
それでも100円を払い続けたのは、通常のメールソフトでは実現できないこの機能に「100円分」の夢があったからだろう。
最近、支払い明細を見る機会があって「100円」払っていたことを思い出した。
いくら夢があっても、さすがに忘れているものにお金を払っていては金運が落ちそうだ。外そうと思ってニフティの中をしらべると、どこにも解約の入り口がない。
問い合わせたところ、メールでのみ受け付けているとのこと。
申し込むと即日停止。
日割りはないので、月末まで待って手続きをすることにした。
本を片付けていて、つい読んでしまうことや、写真を整理していて見入ってしまうことがある。
今回も、こうして書いているそばから、やっぱり外すのはもうしばらく様子を見たくなってきた。
残された半月で、なにか新しい使い途がみつかるといいのだが。
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