「ポートホールン長崎」が持つ2つの強み
西海市が公開した「長崎オランダ村」跡
Aゾーンにある西海市のカウンターで署名すると、首から提げる入館証を渡される。
入場にお金はかからない。
園内に商業施設はなく、自販機もない。
真夏だったこともあり「お水とか大丈夫ですか?(持っていますか?)」と念を押された。
2012年、2014年の二度とも、園内に他の入場者はなく貸し切りだった。
かつて「芋を洗う」とまでは言わないが、人の笑顔と嬌声にあふれていた町(村か)に響くのはセミの鳴き声ばかり。
ボードウォークに寝そべらんばかりに、建物、オブジェ、海が独り占め。
くまモンショーを最前列で見た時と同じく、僕がのぞきこむファインダーには、どのアングルにも誰も映り込まない。
こんな贅沢なこともあるのかと幸せを噛みしめつつも、やはり、ここに誰もいないことがもったいないという気持ちが勝った。
さぁ、二年ぶり今年も貸切しに行くかなと思っていた時。
YAHOO!ニュースアプリに設定した「長崎県ニュース」に、待ちに待った記事が載った。
2016年4月16日
「ポートホールン長崎」オープン
旧長崎オランダ村施設再生事業としてオープンする、市民交流型レジャー施設。
運営するのはホーランドビレッジ(本社 西海市)
総面積16万4千平米のうち、約1万平米を西海市から10年間無償で借り受ける。
この施設には、抜群の強みがある。
それは、人々にとっての「わが心のオランダ村」
それぞれの心の中に、この村を訪れた時の暖かい思い出が潜んでいる。
そして、この村の建物もボードウォークも、多少朽ちたとはいえ、今も魅力をたたえたままそこにある。
オランダの(ヨーロッパの)町並みの良さは、少し朽ちたくらいのほうが味わいが出るところ。
ハウステンボスもできてすぐの頃は「新しすぎて違和感がある」と言われたほどだ。

2014年8月 "貸切"で撮影
たとえば、このオブジェにしても、ずいぶん長く放られていたとは誰も思わない。
こんな魅力的な町並み(村並み?)が、手つかずでそこにある。
(今回、オープンに当たり改修にお金はかかっている)
かつて全盛で賑わった時の思い出。
変わらぬ町並み。
こんな強みは、他のどこにもないのではないか。
入場料は無料。
飲食店、美術館、イベント広場で構成される。
地元の人たちが地域密着型で進めるこの事業は、この世知辛い世の中に一風の清涼剤となり、地域の人を呼び込むのではないか。
オランダ村跡地は3つの区画で呼ばれている。
Aゾーン:西海市が利用
Bゾーン:ポートホールン長崎
Cゾーン:ハウステンボスが利用を計画中
H.I.S.澤田秀雄さんが手がけて以来、超V字回復のハウステンボス。
海でつながるこの「村」と再び、縁を結んで欲しい。
セミの声響く貸切の村ではなくなったが、人の笑顔で賑わう村に、この夏は必ず訪れるつもりだ。
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