完封されない強運のオレンジタオル
一週間前には「くもり」だった予報も、前日には「晴れ」に変わり、迎えた4月29日「昭和の日」は快晴。
絶好の野球日和となった。
・・はずだった
天気がいいからと言っても、油断せず寒さ対策は怠らない。
下着は上下ヒートテック(ただし極暖ではない)
ブレスサーモの手袋、薄手のウィンドブレーカーを羽織る。
ネックウォーマーもつけようかと迷ったが、もう季節は晩春を迎えようとしている。さすがにそれはやり過ぎだろうと思いとどまった。
ハンカチ代わりにオレンジのハンドタオルをポケットにねじ込み、野球のチケットを確認して神宮球場を目指す。
拭いてよし、振ってよし。大手新聞社から定期購読の景品でもらったこのハンドタオルは、野球観戦ではとても重宝している。
このハンドタオルを持って球場に行くようになってから、一度も振れなかったことは一度も無い。
つまり「完封されない」縁起のいいタオルと言うことになる。
外苑前駅3番出口を地上に出たところで、アラブさんと待ち合わせ。
彼もしっかり、ウィンドブレーカーを着込んできている。
ただ一点、僕と違うのは手袋をしていないことだ。
彼もしっかり、ウィンドブレーカーを着込んできている。
ただ一点、僕と違うのは手袋をしていないことだ。
このあたりは野球観戦客を見込んだ軽食の露店が軒を連ねている。
球場内で軽食を買うと、牛丼680円よりといった予算だが、ここでは焼きそば300円より。
ペットボトルは150円。
ビン・缶は持ち込み禁止なので、入場口で紙コップに詰め替えなければならないが、ペットボトルの持ち込みは規制されていない。
今回購入した座席はB指定席の2階ネット裏
2階席とはいえ、スタンドの傾斜がきつい分、投手の球筋も見えるくらいグラウンドが近い。
屋根がついているので、小雨の時もカッパを着なくて済む。
お気に入りの場所だ。
肝心の試合はポレダの乱調により、見所のないものになった。
打線も石川の前にバットが芯を食わない。
バットがボールに衝突する音がよく聞こえるのも、この席のいいところなのだが、いい音がするのはヤクルトの打者ばかり。
お寒い打線もさることながら、僕らを苦しめたのは春の強風だった。
神宮球場はスタンド座席に風が吹き込まない。
そう思って油断していたのだが、ネット裏二階席だけは、スタンド上限よりも上に出ていて、強風をもろに受けるのだった。
悔やんでも後の祭り。
きっと、ビールは売れないだろうな
ホットコーヒーでも売りに来ればいいのに
試合そっちのけで、家路を夢見ていると、はや9回表
二死二塁 打者長野
スマホをズボンのポケットから出して、ウィンドブレーカーに仕舞う。
帰り支度ではない。
次に起こすアクションの準備だ。
長野の打球は、巨人打線としては「今日イチ」の快音を残してあわやレフトスタンド。
その一歩手前で落ちた。
悠々とホームインする坂本勇人。
スタンドを埋めた左半分の観客は、早くもタオルを振っている。
僕も遅れまいと参加する。
神宮名物傘の舞:4回(得点時と7回の攻撃前)
巨人ファンのタオル振り:1回
完封を逃れたことを僥倖と言い合い、5回めの傘の舞を見る前に、僕とアラブさんは家路を急いだのだった。
体温は手から下がる。手袋をしていない彼は、僕以上に神宮の寒風を体感したことだろう。
教訓
4月の屋外球場は来るもんじゃない
試合の2日後、村上春樹「村上さんのところ」(コンプリート版)を41%読み進めたところに次の一文があった。
「仕事に疲れたときにはだいたい音楽を聴いています。夏場であれば神宮球場に行ったりもします」
なるほどね・・
試合の2日後、村上春樹「村上さんのところ」(コンプリート版)を41%読み進めたところに次の一文があった。
「仕事に疲れたときにはだいたい音楽を聴いています。夏場であれば神宮球場に行ったりもします」
なるほどね・・
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