ゴール後に待っていたのはサムデイ、魚肉ソーセージ、シャーベット
ゴールラインをまたいだ時、僕のウォークマンからは佐野元春「サムデイ」が流れていた。
いつもは、想定するタイムと曲の長さをエクセルに打ち込んで「負けないでが35kmで鳴るようにしよう」などといった計画を立てるのだが、目論見通りに言ったためしがない。
だから今年は、一切そういうことをしなかった。
ただ、どんなことがあっても5時間30分ではゴールしたいと思っていたので、スタート前の待ち時間、ロスタイムを30分読んで、6時間分のセットリストを作った。
別に「ゴールラインでサムデイを聴きたい」と思っていたわけではないが、やはりこの曲がゴールと同時に流れてくるのは「出来過ぎ」な感がある。
これが「サブ4達成」のような時ならば、涙ぐんだことだろう。
しかも「サムデイ」の次に流れてきたのは、ゆず「栄光の架橋」だ。
どこが栄光なんだ?
皮肉かっ
とウォークマンにつっこむ。
結局、このレースでプラン通りだったのは、音楽セットリストだけだったということになる。
しょうもなっ
導線に従い進むと、まずランナーズチップ回収エリア。
高校生と思われる男子ボランティアの前に進み、お願いしますと頼む。
女子もいるのだが、なんだか気が引けてしまう。
その先にはシャーベット配布テント。
前年まではコース終盤エイドの名物だったが、今年から「ランナーの声を聞いて」ゴール後の配布に変わった。
数種類のシャーベットがあり、その中からりんご味をもらった。
そのまま進むと荷物置き場
荷物の大半は既になくなっており、すぐにピックアップすることができた。
足が痛い
歩くのが困難だ
よくこの足でダッシュしたものだ
マラソンではラストスパートで命を落とす人がいるため、主催者は事前に注意を喚起している。
板橋Cityマラソンでは39.6kmにレストステーションがあり、そこで十分休んでからゴールすることを薦めているほどだ。
端で見ていた大会関係者にしてみれば、僕の激走は苦々しく映ったであろう。
スタンドまでなんとかたどり着き、レジャーシートを敷いて最前列に座る。
とても段差を上がれないからだ。
デイパックからまず取り出したのは「マルハ魚肉ソーセージ」
何の本だったかは忘れたが、レース直後に食べられるよう、食べ物をバッグに入れておくとよい。それには保存が容易な魚ソである。と書いてあったのに習った。
高校の部活の時は、カップ麺と一緒によく食べたものだ。
東京の子供たちがどうだったかは知らないが、佐世保では誰もが大好きだったと記憶している。
だが、42.195kmを走った直後に食べる魚ソは、喉につかえるばかりで、あまり美味いとは思えなかった。
つづいて、シャーベットにとりかかる。
結論から言うと、人工甘味料のおかしな甘さが引き立っていて、とても後味が悪かった。
レース中に食べる、というか流し込むから、冷たくて美味い(正確にいうと不味くない)のであって、レース後にこれはないと思う。
目の前では、キャンプ用品のテーブルとイスをセットした家族連れが、持ち込んだ食材を拡げ始めた。
へたをすると、このまま肉でも焼きそうな勢いだ。
42.195kmを走って来たところに家族や仲間が待っていて、その場でご飯を食べる。
そういうのを世の中では「リア充」にカウントするのかも知れないが、とても見ていられないので早々にレジャーシートをたたんで家路につくことにする。
土手の階段を上ることがとても難しい。
10年前の初マラソンでも、これはなかった。
右端にある手すりにつかまりながら、一段ずつ左を上げて、同じ段に右を上げる。
そうしないと、とても上れない。
次々に後続の通行人に抜かれる。情けない映像だ。
こんなにまで、足を傷めたレースは過去11回のレースで初めてである。
いったい、何がよくなかったのだろうか。
まだ、この時は手がかりさえ、つかめなかった。
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