勝敗を分ける分水嶺
ハーフタイム
WOWOWでは現地にいるゲストのハリルホジッチが意見を述べる(通訳のフローラン・ダバディは画面に映らなかった)
「ムサ・シソコを除いてはフランスの攻撃陣が疲れている。できるだけ早く点を取らないとフランスはますます厳しくなる」
返す刀で「ロナルドがいないポルトガルがどう点を取るか、それも厳しい」
ボスニア・ヘルツェゴビナの人なので、フランスに肩入れする必要はないと思うが、試合前、ポルトガルについて「大したことは何もしていない。抽選や組合せの幸運に恵まれただけ」と酷評していたので、危機感があったのだろうか。
ポルトガルについては「抽選が幸運」を除いては、仰るとおりである。
WOWOWユーロ2016のアンバサダーを務めたハリルホジッチ。WOWOWのCM画像に登場する彼は、地獄に棲む魔法使いの親分みたいで、怖かった。
WOWOWユーロ2016のアンバサダーを務めたハリルホジッチ。WOWOWのCM画像に登場する彼は、地獄に棲む魔法使いの親分みたいで、怖かった。
<後半>
8分(53分)ここで「観客が乱入した」らしいが、カメラは一切ならず者を映さない。
欧州フットボールでは、前後半そして延長は通しの時間で表記される。その際additional timeはカウントされない。
従って<前半>が45+2分だった場合も「45分」計算であり、後半8分は「53分」である。しかし、感じが出ないので慣れ親しんだ表記に戻す。
16分 カウンターの芽を摘もうと、ジョアン・マリオ(10)が足を蹴ってイエローをもらう。彼の人を食ったような表情がいい。ロナルドがいない後、マリオの落ち着きに期待している。
20分 コマンからのクロスがグリーズマンに合う。
「ついに、やられた」と思ったがヘッドは枠の上に逸れた。
これが、グリーズマン最後の見せ場。残り時間はどこかに消えてしまった。
ポルトガルの守備は確かに堅かったが、好機をものにしなかったのは彼自身である。
この日、両チームの「7番」だけが長袖のユニフォームを着ていた(GKは除く)
夏なので暑いから、皆半袖である。
怪我防止のためか、あるいはZAMSTのような締め付け感が疲労を軽減するのかも知れない。
21分(66)シウバに替わりモウチーニョが入る。
モウチーニョと言えばQuarter FinalでPKを成功させている。
逆にいうとそれくらいしか、目立った活躍がない。
サントス監督は早くもPK戦を見越しているのか。
29分 ジルーのシュートをパトリシオが左手で弾く。がら空きのゴール前にこぼれたボール、そこには誰も居なかった。ここも「救われた」
勝敗を分ける分水嶺が、ここで訪れる。
33分 フランスはジルーに代えてアンドレ・ジニャク
34分 MFレナト・サンチェスに代わりFWエデル(9)が入る。
両チームが間髪を入れずにおこなった2組の交代が、勝者決定のスイッチONだとはこの時まったく想像できなかった。
ロナルドがピッチを去った後、個人技でなんとかできるタレントはレナトしかいない。PKキッカーとしても貴重な1枚だ。
それを、あっさりと代えてしまうとは。
しかも入ったエデルはグループリーグの1,2節に出たっきり「ノーマーク」の選手だ。
しかし、サントス監督の眼力に今は信頼を置いている。
きっと、監督は頭を抱えて考え込んだ時、残り時間の戦いにレナトが不要で、エデルが必要だと読めたのだろう。
結果的に、この交代が優勝を引き寄せることになる。
レナト・サンチェスはゆっくり歩いてピッチを出る。
0-0 とは言えポルトガルにとって、今は時間を使う場面だということがわかっている18歳。たいしたものである。
テレビカメラが2回切り替わったのに、まだ歩いている。
ようやくタッチラインにたどり着いたところで、エデルに対して両方の人差し指を立て「11ね」のサインを送る。
佐野元春が「ナイトライフ」で「♪髪を整えたらタクシーで11時までに~」と歌う時のあの「11」だ \^^)オイオイ
いつか、レナト・サンチェスに会う機会があったら、その理由を尋ねてみたい。
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