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2016年7月20日 (水)

ポルトガル優勝の幸運を検証する

ポルトガルは「W杯」「ユーロ」の2Mを通じて初優勝。
そのユーロ初優勝は、いくつもの「幸運」に恵まれていた。
最後にそれを検証しておきたい。



6月21日(火)28:00
クロアチア 2-1 スペイン
【D】ゲーム前1位通過スペイン 2位クロアチア
クロアチアが1位通過 スペインが2位に落ちた

この試合でクロアチアが逆転したために、ポルトガルのラウンド16の相手がクロアチアになった。
もしもスペインが来ていたら、ベスト16での敗退もあり得たし、勝ち上がったとしても大きな代償を払っていただろう。
クロアチアを相手に戦ったポルトガルは「イエローカードゼロ」で乗り切り、次戦出場停止者を一人も出さずにベスト8に進むことができた。



6月22日(水)28:00
ハンガリー 3-3 ポルトガル
ポルトガルは同点に追いつき、その時点で2位通過を確保。次戦相手はイングランドだった。
ところが、同時開催試合でアイスランドが終盤に勝ち越し、ポルトガルは3位通過となり対戦相手はクロアチアに替わった。
それと同時にポルトガルは右から左側の「山」へ移動。
フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、イングランドが揃う「死の山」に入らずに済んだ。

この時点では調子が出ていなかったチームが「死の山」に入っていれば、ラウンド16、Quarter Final(ベスト8)で敗退する確率が高いところだった。



さらに、ポルトガルには大会運用方法変更による幸運があった。
前回のユーロ2012ではベスト4の組合せは異なる「山」とのたすき掛けだったのだ。
その方式が踏襲されていれば、ポルトガルのSemi Finalの相手はドイツだったのである。
Semi Finalでドイツなんて、ポルトガルファンならば絶対に見たくないカード。
それが、今回は2008方式、すなわち同じ「山」のSemi Final1、3の勝者が対戦する方法に戻ったのである。



7月6日(水)28:00
Semi Final(ベスト4)
FIFAランキング8位のポルトガルは、Quarter Final(ベスト8)までは格下の相手とばかり戦ってきたが、Semi Final(ベスト4)でランキング2位(今大会出場チーム中最上位)の格上、ベルギーと対戦すると思われた。
しかし、28位のウェールズが Giant killing(フットボールにおいて格下が格上を倒すこと)
準決勝は意外な相手となった。
累積警告のため、司令塔のラズナーを初めて欠いたウェールズは、守備も攻撃も統制がとれず、ポルトガルには終始、大きな自由が与えられた90分となった。

結果的にポルトガルはFIFAランキングで格上となるベルギー、ドイツ、スペインとは一度も当たらずにユーロ2016を終えたのである。


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