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2016年8月20日 (土)

ダニ恐怖症

ダニとの戦いが始まってから10日後、薬局に「かゆみ止め」を買いに行った。
選んだのは「ムヒアルファEX」
通常のかゆみ止めよりも効き目が強い「ステロイド系」のかゆみ止めである。

寝ている間にダニに刺されているとしたら、そのまま会社に行くと、ダニが体についた状態で1日を過ごすことになる。
そこで、下着は起床後に替えることにした。
しかし、戦いは収束に向かっていない。


シーツを洗濯し、干した布団に掃除機をかける。
それでも目に見えて状況が改善することはない。
開戦から20日、ここで、家庭における最終兵器「布団乾燥機」を投入することにした。
布団を高温乾燥させることによって、ダニを死滅させるという算段である。


ビックカメラの店頭をのぞくと日立の「アッとドライ」HFK BK100 というビックカメラ・オリジナル製品が「人気No.1」と謳われていて価格は6,980円+税
予想していたほど高くない。1万5千円~2万円程度の価格帯を予想していた。


最終兵器の投入で、眠りにつく時の安心感が増した。
ここまでやったのだから、そろそろ収束に向かうだろう。
そう思うだけで、勝負はついた気がする。


そして迎えた開戦からかぞえて30日。
以前に比べれば、ひっかき傷もさほど増えなくなったが、依然として両腕は傷だらけである。
まだ長袖シーズンだからよいが、これから半袖シーズンになると、かなり見苦しい状態だ。


薄く伸ばし、肌にすり込むようにして大切に使ってきた「ムヒアルファEX」も、チューブがぺたんこに折り畳まれて、風前の灯火となっている。
この調子で市販薬を使い続けるのは、負担が大きい。


ここで、ついに皮膚科の門をたたくことを決意する。
これが正真正銘の最終手段だ。
最初からこうすればよかったのだが、ついつい病院は後回しになってしまう。


「水曜日は混むんだよね」
3歳くらいの子供を連れたヤンママどうしが話している。
皮膚科の待合室は18人待ち。

へぇ皮膚科は水曜が混むんだ・・
なぜだろう。
サラリーマンならば、週の半ばに「ノー残業デー」が設定されることがあり、早帰りした人たちが地元の病院に来るというのはわかる。
だが、ここで待っている僕を含めた19人の中に、サラリーマンはどう見ても僕1人だ。

待つこと70分、ようやく僕の番号が呼ばれた。
物腰の柔らかい初老の先生は「お待たせしてごめんなさいね」と出迎えてくれた。
僕は、両腕と胸の掻きむしった跡を見せる。
この赤い斑点を見てください。どうですこれ?

ダニじゃありませんね

一刀両断だった。
恐らくなにかのアレルギーとか、急激に汗をかいたとか。
何かそういう心当たりありませんか?

確かにその時期に大掃除を思い立って、珍しく家仕事をした記憶があるが、それほど汗をかいたわけじゃない。
しかし、様々な皮膚の症状を見尽くしてきたプロが瞬時に「ダニじゃない」と断言するのだから、きっとそうなのだろう。


すり込んだりせず、たっぷりとなぞるように塗ってくださいね。
そう言って処方されたのはステロイド系2群(5段階のうち2番めに強い)のマイザー軟膏(田辺製薬)
外用合成副腎皮質ホルモン剤のことを「ステロイド系」と呼ぶ。

医師からもらった薬はみるみる傷跡を修復していった。
その後も時々、寝ている間に掻きむしってしまうことがあるが、それは薬を塗ればすぐに収まる。
よく効く薬があるという安心感は大きい。

その薬が切れた2ヶ月後に再訪した際は、3群~4群にあたるリドメックスコーワが処方された。


「ダニ恐怖症」という言葉がある。
衣食住、生活、仕事全般に悩みが少ない人で、気が優しく、他人に気を遣い、几帳面な人が陥りやすいのだという。
<前半>は違うが<後半>の「他人に気を遣い几帳面」は、まさに自分のことだ!と思う。
"ダニ"に過度に対応しないことが肝要なのだ。
もし、それがダニの仕業だとしても「刺されても死にはしない」と鷹揚に構える。
そう考えた途端、この戦いは収束した。

こう書いた翌朝、ふと気がつくと、左腕に新たな赤い筋が一本みつかった・・


「ダニとの40日戦争」終わり

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