同窓会に寄せる素朴な疑問
今年もお盆がやってきた。
金鳥の蚊取り線香がハイブリッド式になっても、日本のお盆は昔も今もさほど変わらない。
お盆になると故郷を捨てた人たちは里帰りする。
若い頃は「地元には雇用がない」とか巧いこと言って田舎を脱出しておいて、歳を取ると自らの存在を変わらず支持してくれる場所への憧憬が強くなる。
それは、人である以上仕方のないことだ。
そうして里帰りした人たちで「郷土人口」が増えるこの時期を狙って行われるのが「同窓会」である。
学年単位で行われるのは「同期会」
学校単位で行われるのが「同窓会」
この両者には天と地の差がある。
それは、昨今の「つながり世代」にとって顕著だ。
同期会には「愛している」友達がいる。
しかし、同窓会には知らない人がたくさんいる。
同じ時間とお金を費やすならば、誰だって「同期会」に行きたい。
この両者には天と地の差がある。
それは、昨今の「つながり世代」にとって顕著だ。
同期会には「愛している」友達がいる。
しかし、同窓会には知らない人がたくさんいる。
同じ時間とお金を費やすならば、誰だって「同期会」に行きたい。
一方「同窓会」には組織力がある。
同窓会が理事会として組織化されている学校では、例年、お盆の時期に年次総会としての同窓会が行われる。
学校を出てから一度も同窓会に行ったことがないという人にとって、同窓会の敷居は「進撃の巨人」で巨人すら超えられない人類が築いた壁のように高い。
きっと周りは知らない人だらけだ。
バルセロナに乗り込んだクリスチアーノ・ロナルドのような「AWAY感」を味わって辛い時間を過ごすくらいならば、気心の知れた「同期」の友達と焼鳥でも食べていた方がいい。
それが常人の考えるところである。
今から3年前「 あの人が、同窓会に来ない本当の理由」という記事を書いた。
「禿げた」「太った」「金が惜しい」
これが同窓会に行かない本当の理由であるとした。
だが「禿げてない」「太ってない」「会費くらい払える」人で、同窓会に行かないという人だってたくさん居る。
そういう人は、なぜ同窓会に行かないのだろうか。
1つには告知不足があるだろう。
同窓会のホームページはあるものの、そこにわかりやすく情報が掲載されていないことがある。
参加要項がPDF形式になっていたりすると、それだけで開きたくないという「アンチPDF派」もいるのだ。
PDFとはそもそも「改ざんされたくない文書」を開示するのに便利なものであり、官公庁がこれを多用する。
ぜひ読んでください、見てくださいと願う人が使うフォーマットではない。
ぜひ読んでください、見てくださいと願う人が使うフォーマットではない。
また同窓会の告知があったとしても、自分に参加資格があるのか?がわからない。
同窓会に「●●会」といった組織名称が命名されていたとする。
すると、一度も同窓会に出たことがない人は「自分は非会員」だと考える。
同窓会に出るためには、まず「●●会」の入会金を払って、そこで初めて同窓会の参加資格ができるのだと考えるのである。
メンバーが老齢かつ固定化して、人集めに四苦八苦している組織の主催者から見れば、そんな馬鹿なことがあるか!と思うだろうが、知らない人は、実際にそういう疑問を抱く。
では、その疑問をしらべて謎解きをするかといえば、そんな面倒なことをしてまで、さほど出たくもない同窓会に道筋をつける必要はないのである。
そして、同窓会に行かない最大の理由は「居場所」だ。
自分の同期が何人来るのかが、わからない。
行ってみたら、同期は誰もいなかった。居たとしても学生時代は口をきいたこともない人ばかり。
あるいは広い会場で、会いたい人がいたのに、会えず仕舞いということがあるかも知れない。
司会のつまらないジョークに愛想笑いをして、1人寂しく2時間を過ごす。
何のために会費と時間を使って来たのか。
そういったことにならないかを危惧した途端、行きたくない。
「禿げているけど大丈夫ですか?」
「太って見る影も無いけど、いいですか?」
「二次会には行かなくても、付き合いが悪いと言われませんか?」
「同期は必ず会えるような工夫がありますか?」
「恩師の先生は誰が来ますか?」
1度くらい「同窓会」に出るのも悪くないな。
そう思った時に聞きたいことは山ほどある。
そう思った時に聞きたいことは山ほどある。
ほんとに一番聞きたいのは「憧れていたあの人は来ますか?」なのだろうけど。
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