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2016年8月25日 (木)

水谷準に「渇」とは笑止千万 水谷が抱える開拓者の重い荷物

体操男子団体は、序盤にミスが出たものの、白井健三の跳馬での高得点から流れが変わり、待望の金メダル。

試合後、内村航平は「東京は目指すべきもの」と初めて言い切った。
ただし、ロンドン・リオと続いた「6種目」演技ではない。
恐らく「鉄棒」「跳馬」など、4年後でも高得点が望める競技に絞り、後輩の指導に比重を置くのだろう。

替わって白井健三が「6種目」に挑む。
その脇を固める逸材の名前は、これから登場してくるだろう。


体操男子個人は内村航平が低調なスタート。
5種目を終えて2位。
残すところは得意の鉄棒だが、ベルニャエフとは1点の差がある。
ずっとめざしてきた「団体金」もとったことだし、個人はもういいよ。おつかれさん。という空気が出ていた。

ところが、最終の鉄棒でまさかの大逆転。
ベルニャエフが極端に失敗したわけではない。
内村航平は演技中に軽いぎっくり腰になったが、それで返って着地がぴたりと止まったのかも知れない。
自身も言うまさに「奇跡の着地」


これには外国メディアから内村航平に「あなたは審判に好かれているのではないか?」という揶揄の質問が飛んだ。

すると、逆転で敗れたベルニャエフ、銅メダルのウィットロックがこれに反論する。
ベルニャエフ
「航平さんはキャリアの中でいつも高い得点を取ってきている。今の質問はとても無駄なものだ」
ウィットロック
「彼は皆のお手本。今日の最後の鉄棒はクレイジーだ」

照れながらも、思い切り心の内が顔に出た内村航平の「どや顔」に笑った。



卓球シングルスは水谷準、福原愛が順調に勝ち進んでいった。
期待を集めていたのはリオに入ってからキレキレのプレーを見せていた愛ちゃん。
緩急をつけた球出しが絶妙、かつミスが少ない。
こんな愛ちゃん見たことない。
しかし、SFで中華人民共和国の李暁霞に敗れた。


一方、日本男子の「卓球王」水谷は、知名度が低いこともあって、あまり注目されていなかった。
だが3位決定戦でベラルーシのサムソノフを破って銅メダル。
卓球男子、日本初メダルである。



日曜朝のテレビで、張本勲が「渇」を入れる番組がある。
張本は水谷のガッツポーズが「首より高い位置に手を挙げた」として「渇」を入れたという(見ていない)

笑止千万である。

プロ野球という他人が土台を作った舞台で「3,000本安打」という金字塔を打ち立てたのが張本。
日本にプロ卓球界がない中で男子卓球を1人で牽引してきて、五輪初メダルを獲得した水谷。

水谷は自分のことだけを考えているアスリートではない。
いつも卓球界の未来を思った発言をし、発展を支えている。

遅々として進まぬ日本プロリーグ設立。
ボールをじゃんけんで選ぶという、難解な日本選手権。
後を絶たない反則、ブースター問題。
彼はいつも、信念に則り毅然とした言動を貫く。

そして、自分が勝ち続ける理由、練習の心得を惜しげも無く2冊の著書で公開している。
現役のトップ選手でありながら、こんなことをするアスリートが他に居ただろうか?
マラソンのフロンティア、瀬古利彦にしても、そのノウハウを公開したのは、現役を引退してコーチもやめてからである。

開拓者には背負っている重い荷物があるのだ。
だから、僕は水谷を支持する。

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