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2016年10月 3日 (月)

BABYMETALのスタンドに広がる「五〇台の巣」

【第9話】

17:30
開演まで90分の東京ドーム場内は照明が暗く、スモークが焚かれていて全体に煙っている。終演後の場内が煙るならばわかるが、まだ何もやっていないのに煙っているというのは普通ではない。
この不健全なムードは、これまでに経験したコンサート、ライブではなかったものだ。
この演出は、ステージが強烈な光で照らされた時のギャップを作り出すためだろうか。


2階三塁側8通路3列
野球で言うならば「ネット裏」ホームベース後方からやや三塁寄り。
最前列ならば「立たなくても見られる」のだが、BABYMETALは「ちょっと疲れたからスローバラードは座って休もう」というライブではないので問題ない。
前方にバスケットボール選手の団体が山脈を作られるようなことはないので、3列というのは好位置だ。

セカンドベース後方に設置されたセンターステージからは3方向に向かって花道が延びている。こちらから見ると、センター側のそれは見えず、一塁と三塁に向かって扇が開いたように見える。
BABYMETALがどの位置で「実演」するかは不明だが、音楽公演の通例から言って、ホームベース側のこちらが正面であることは疑いづらい。

とすれば、これは日本武道館の二階席正面に陣取るのと同じかな。
ちょっと遠いか


そんなことを考えていると、仲野君がやって来た。
カレはコルセットを二つ折りにして握っている。
そんな持ち方して絶縁していなければいいけどと心配になった。


今回、チケットを2枚申し込んだ後、当たりもしないうちから参戦仲間の招集に入った。
難航を極めると考えたからだ。
僕は、まだBABYMETALを知ってから一週間しか経っていない。
今見ておかなければという衝動で「先行予約」してみたものの、参戦先の場所は敷居が高い。
恐らく周りはコアなファンばかりで、それは僕よりも1ついや2世代下の人たちだろう。
そこに「ぼっち」参加するのは不安過ぎる。
だからこそ見切り発車で2枚にしたのだが、僕の周りにBABYMETALファンがいるわけがない。ましてや、そんな酔狂につきあってくれる好意的な人がいるとも思えなかった。


まず始めに、アラブさんにそれとなく「BABYMETAL」の反応を探ってみたが「ANIMETALは聴いたことがありますが、メタルはあまり聴いたことがないです。BABYMERTALは名前は聞いたことがありますが、今度聴いてみます」という返事だった。

そうだ、これはHEAVYMETALなのだった。
そういえば、自分も聖飢魔IIはCDを聴いていたが、HEAVYMETALのライブに行ったことはない。
コレは難航するぞと思った矢先、2番めに声をかけた歌合戦仲間の仲野君はあっさりと「おもしろそうですね。音楽ならなんでもいいですよ」と一枚かんでくれた。
彼はBABYMETALは名前は聞いたことがあるが、一度も聴いたことはないという。

チケット当選後はもっぱらYou Tubeで予習したという。
お金をかけてCDを借りてこなくても、ネットにつなげば公式映像が見放題。
音楽はまさに視覚の時代に移り変わっている。
いくら「昔の名前」があったところで、今の風貌、今の声がどうなっているかはすぐにばれる。
長きにわたるデフレを経て、日本人は支出に対して、確実に対価を回収できるものにしかお金を使わなくなった。
実演者にとって、You Tubeはカタログであり、試金石となっている。


右となりに座ったのは僕より年上のおじさん。
大きなリュックを背負ってのぼっち参加だ。
そこで、あたりを見回してみた。
すると、そこに広がっていた光景は「五〇代の巣」であった。

全員が五〇代というわけではなく、どう見ても四〇代より下が薄い。
中には六〇代、七〇代も散見される。

BABYMETALは二〇代、三〇代が客層の軸と予想していた。
「スタンド席だし、たまたま、このあたりに冷やかしの人たちが固まったんだな」という程度でさほど気にはしなかった。

【ぼっち】
ライブに1人で行くこと。SNSに書き込む際に使われる。

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