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2016年10月 7日 (金)

母とちゃんぽん

母の愛は絶対だった。
いつも僕を支持してくれた。

それを失ってしまうと言うことは
いったいどんなことだろう

あまり考えたことはなかったし
考えたくもなかった


でもそれはある日、突然
訪れる。


母は町の食堂で僕たちとちゃんぽんを食べた。
僕らが小さい頃は、食べている途中、僕らの椀に向かって、自らの椀から肉を箸でつまんで放ってくれた。

なんだかはしたない行為のようだが、僕らはとてもうれしかった。
最近、時々そのことの意味を考えている。

父がなくなった後、母と一緒にちゃんぽんを食べた。
もう母は肉を放ってはくれなかった。
おいしいね
と言って一緒に食べた。

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