となりの男のレジ袋から「蒲田くん」が首を出している
シン・ゴジラを観て来た日、ネットを検索して彼が「蒲田くん」と呼ばれていることを知った。
可愛い「蒲田くん」を手元に置きたいと思った。
既にフィギュアなどのグッズが出ているだろうか?
既にフィギュアなどのグッズが出ているだろうか?
試しにアマゾンで「蒲田くん」を検索
すると「バンダイ ゴジラ ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2016(第二形態)」が見つかった。
価格は3,900円
まぁまぁの値段だな、しばらく考えよう。
そして、しばらく「蒲田くん」情報を「Google先生」に聞いて回る。
すると、バンダイの製品は定番では1,600円の品であるが、既に市場在庫がなくなっていることがわかった。
件の3,900円の品は、すでにプレ値だったのである。
慌ててamazonに帰宅。
先の商品をカートに入れようとすると、既に売り切れていた。
買えないとなると欲しくなる。
潤沢に市場在庫があるうちは冷静に「蒲田くんのフィギュアは僕の人生に必要なものか?」と自問自答していられるのだが、こうなると完全に冷静さを失っている。
YAHOO!ショッピング、楽天、ヨドバシドットコム
定価販売のショップには在庫なし。
他はどこへ行っても元値の4倍を超えるプレ値品。
定価販売のショップには在庫なし。
他はどこへ行っても元値の4倍を超えるプレ値品。
そこで、我に返った。
これは定番品だから、しばらくしたら再販されるのではないか?
「S.H.モンスターアーツ」のような限定品であれば、限定数量初回ロットで終わりだが、バンダイの定番の場合、再販の可能性は十分にある。
それ以来、巡回が始まった。
ヤマダ電気、ビックカメラといった玩具売り場を併設した店舗を訪れた際は、猛烈に「蒲田くん」が欲しいわけじゃないけれど、なにげに玩具コーナーをのぞく。
ヤマダ電気、ビックカメラといった玩具売り場を併設した店舗を訪れた際は、猛烈に「蒲田くん」が欲しいわけじゃないけれど、なにげに玩具コーナーをのぞく。
だが、そこにあるのは見慣れた仮面ライダー、戦隊、ウルトラ怪獣のソフビ達。
我が愛しの「蒲田くん」の姿を見つけることはなかった。
それから3ヶ月が過ぎた。
すっかり「蒲田くん」のことも忘れていた年の瀬
家電品を求めてビックカメラを訪れた。
クリスマス・年末商戦ということもあって、レジには長い列ができている。
ずいぶん待った後、わずか108円の品を決済していた時に、となりのレジで支払いを済ませて立ち去ろうとした40台男性のレジ袋から、にょきっと「蒲田くん」が顔を出していたのだ。
おぉ、出たのか蒲田くん
僕は108円の品物を受け取ると、レジまで同行していた係員に「じゃこれで」と告げ、きびすを返して売り場に戻る。
丹念に、かつ迅速に玩具の売り場を「コレクター動体視力」がさらう。
お目当ての品は、幼児でも目に届くよう、一番下の段にあった。
店頭在庫は「シン・ゴジラ」2つ「第二形態=蒲田くん」2つ「第三形態=品川くん」5つ
男性のレジ袋から顔を出していたのは「品川くん」の方だった。
蒲田くんを2つ手にとって、接着剤のはみ出しがある方を棚に戻す。
だが、そこでしばし迷う。
「誰か、友達で蒲田くんが必要な人はいなかっただろうか」
これが、コレクターの性だ。
レアモノが目の前にあり、元値で買える。
できれば、誰かの役に立ちたい。
できれば、誰かの役に立ちたい。
この千載一遇の機会を、みすみす逃すのが過ちであるかのような強迫観念に襲われるのである。
「ヤフオクで高く売れるのではないか」
とは考えない。面倒くさいし下品だ。
めでたく1,280円+税という元値割れで手に入れることができた。
いや別に手に入らなくてもよかったのだけれど。
ただ、こうして目の前に現れたということは、やはり「蒲田くん」とは縁が深いということなのだ。
限定品が手にできなかった時、いつもこう思う。
今日は縁がなかったけれど、それは今は買わない方がいいということだ。
もしも、本当に必要ならば、それは別の機会に目の前に現れるだろう。
コレクターをやめたとは言っても、目の前にあるとやはり欲しい。
いつも、コレクターの神様にお願いしている。
どうか、見つかりませんように!
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