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2017年1月 3日 (火)

東京マラソンで仮装すると、750人のギャラリーが群がる

一般的にマラソンは苦しい。
眉間にシワが寄る。
歯を食いしばり、悲痛な表情になる。
体に力が入っているのだ。

笑った方が速く走れることはわかっている。
笑えば、力が抜ける。
力を抜いて、リラックスした方が、体はよく動く。

でも、どうやって笑えというのだ。
42kmも走っている、この苦しい時に。


しかし、ただ1つ方法がある。
それが、沿道の人々と心を通わせることだ。
応援を受ける。
それに手を上げて応える。
うんうんとうなずく。
「ありがとう」と言う。
ハイタッチする。


心のエンジンが再点火される。
目の前にかかっていたもやが晴れて、視界が開ける。
そして、目の前の一分に集中できる。
走りに集中すると、体は全能力を発揮して、速く前に進む。


試しに練習中に「考え事」をしてみるとよい。
「サトウのバカ課長をどうやって失脚させるか?」
「燃やすゴミの日に不燃物を出す隣人をどうやってこらしめるか?」
そんなことを考えていたら、めっきりペースが落ちる。

キロ6分ペースで走っていた人が、考え事をするだけで6分30秒くらいまではすぐに落ちるものだ。


東京マラソンにおける沿道の人出は100万人~150万人。
晴天に恵まれれば、150万人の人が42.195kmの沿道を埋める。

デコのユニフォームを着て走った2009年大会は
「あ、チェルシーの人がんばって」
と応援してくれた女性が1人だけだった。
それを50倍に増やせば「エンジン再点火」の機会が50回になる。


それは「仮装」によって実現できる。
本来、ランニング大会と「仮装」は相性がいい。
スポーツの3要素「する」「見る」「支える」のうち「する」側と「見る」側を笑顔で取り持つのが「仮装」である。

互いに見ず知らずの人に向かって
「初老のおじさん、がんばれ!」
「厚化粧のおばさん、がんばれ!」
とは言えない。
ただ「がんばれ~」と言うだけになるが、それでは、1対1で心が通わない。

目印としての仮装をすることで、見る側は「ピカチュウがんばれ~」と、そのランナーを呼ぶことができる。
呼ばれた側も「自分が応援された」と認識できる。
そこで、互いの心が通うのである。

仮装大好きなランナーは多く、そういうランナーを集めて「サンタマラソン(京都)」「安政遠足侍マラソン(群馬)」のように、走ることよりも仮装を主眼としたランニング大会も行われている。


ここ数年、日本文化になりつつある「ハロウィーン」の路上仮装の場合、圧倒的に「する」側が多く「見る」側の比率が低い。
あれでは「目立ちたい」「見られることが快感」な人たちにとっては、欲求不満が募ることだろう。

東京マラソンの場合、出場者は35,000人。そういう統計はないが、そのうち仮装する人は5%程度だろう。
仮に2,000人のランナーが仮装を「する」とする。

これを「見る」人は150万人。
1人の仮装ランナーあたり「750人のギャラリー」がついていることになる。

目立てる。注目される。応援される。
これこそが、東京マラソンが毎年のように、35,000人に対して10倍の応募者を集める最大の理由だ。

つづく

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