OS-1 旧新飲み比べ<後編>
丸いボトルになったOS-1
明らかに味が変わった。
メーカーはそこを強調していなかったが、販売面でのてこ入れであることは疑いの余地がないところだ。
急いで個人経営の薬局へ回り、在庫で残っていた旧い四角いボトルのOS-1を1本確保した。
商品のリニューアルが行われると、量販店チェーンは早々に新商品に切り替わる。
一方、個人経営の薬局は在庫がはけないため、しばらく旧製品が置かれていることが多い。
それから、夏が過ぎ秋が終わり、冬になり、ついに立春まで来てしまった。
いろいろと忙しかったのだ。
こうして、飲み比べを実行したのは、新タイプ発売から11ヶ月後だった。
もう旧タイプがどんな味だったか、舌が忘れている。
その日、重い腰を上げたのには理由があって、ふと見ると旧タイプの賞味期限が4ヶ月前に切れていたのだ。
旧タイプの賞味期限はおよそ6ヶ月だった。
(新タイプは12ヶ月)

無地の紙コップを2つ用意する。
1つには底の裏側に小さく「N」の印をつける。
そちらにNew・新タイプを注ぎ、もう一方に旧タイプ。
自分だけではつまらないので、いつも食べ比べに協力してもらうサトウさんにもつきあってもらう。
彼には賞味期限が切れていることは秘密だ。
サトウさん、2つ差し出したコップの1つを飲み、すかさず言った。
「変な味がする」
まずい、期限が切れて中身が変質していたのか?
そして、それが旧タイプだと確信した。
つづいてもう1つを口にする。
「これは普通の味だね。こっちが新しい方じゃない?」
正解だった。
2つのコップをシャッフルしてもらい、僕も試す。
もう一目ではなく一飲瞭然。
確かに旧タイプは「変な味」
新タイプは、今飲み慣れている味だ。
今これを書きながら、旧タイプを飲んでいる。
飲み比べた時「これ、悪くなってるんじゃないか」と思ったのは杞憂だった。
旧タイプは確かにこんな味だったのを舌が思い出した。
僕の語彙では形容が難しい味。
それまでに一度も飲んだことがない味だ。
無理矢理、言うならば「薬のよう」それも湿気た薬のようだ。
新タイプはスポーツドリンク風。
果汁を少しだけ落としたようで、ほのかに甘い。
有り体に言えば「飲みやすい」味。
当時の大塚製薬のリリースによると
「一部原材料と充填方法の見直しを行い、すっきりとした風味に仕上げました」とある。
これを書いているうちに時間が過ぎ、だんだんと脳が味に慣れてきた。
そこで、新タイプを1口飲んでみる。
ほのかな甘さを感じる、すっきりとした味。
ただし、初めて飲んだ時のように「甘い!」とまでは感じない。
同じ「OS-1」という名前だが、旧新2つは別物である。
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