メール便の宛名ラベル 個人情報を切り取るはさみ
ビニル袋に入ったDMが増えたのは2000年代に入ってからのことだ。
1997年3月、ヤマト運輸が「クロネコメール便」を開始。
2000年3月、佐川急便が「飛脚メール便」で追随した。
メール便とは家庭の郵便ポストに届け、受取印はとらない小口配送。
配達指定ができないし、即時配達は保証されていない。
何日で届くかは読めないし、同じ所に出しても届く日数はまちまち。
個人が急ぎの書類を出すのには向かない。
しかし、誰も待っていないDMならば、そのデメリットは消える。
大量に発信する必要がある通販カタログなどに多く利用されている。
従って、メール便の大半は、1度購入したことがある通販会社からのもの。
頼んでもいないのに、定期的に届く。
物理的に送られてくるDMには「プレファランス」という概念はないらしい。
プレファランスとは「お知らせを送ってよい」という同意のこと。
ネット通販で何かを買った場合、申込み画面の下のほうにこっそりと「お知らせを希望する」という項目があり、デフォルトでチェックが入っている。
それに気づかずに「購入を確定」してしまうと、以後、その業者から大量の電子メールが送られてくる。
だが、物理的なDMは頼んでもいないのに勝手に送ってくる。
電子メールは何通送ってもタダなのに対して、メール便は安いとは言え「印刷代」「紙代」「送料」がかかる。
従って、比較的高額な商品を扱う業者からのものが多い。
ポストから取り出す。
ゴミ箱に放り込む。
ただ、それだけならば、どうということはない。
ちょっとだけ、ゴミの量が増えるというだけだ。
面倒なのは外装ビニル袋にタックシールで貼られた「宛名ラベル」である。
気にしなければ、どうということはないのだが、気にする人は気になる。
ラベルに印字されているのは大概「住所」「氏名」
マンション暮らしで表札を出していない人は、号数と名前がセットで書かれているラベルをそのまま捨てるのはためらうだろう。
業者によっては、その会社における顧客コードが書かれているものもある。
その会社のシステムには、購入履歴や副次的な情報が入っており、好ましくない。
メール便が始まった頃、ホームセンターで書類の一部を切り刻むはさみを買った。
刃が3mmほど間隔が開いた二枚刃になっており、住所や氏名の部分にはさみをいれると、その行が細かい紙くずに変わる。
特に「個人情報の処理に困っていた」訳ではなく、それまでに見たことのない形状に惹かれた。
あぁこれならば、重要な情報を安全に処分できるな。
この読みは当たっていて、金融機関から送られて来る書面に書かれている重要な情報を切り刻むのに重宝した。
ただし、難点がある。
幅が狭いため大きい字の場合、2度、3度とはさみを入れなければいけないし、切り取りたい部分に刃を当てるために、別のはさみで下ごしらえが必要だ。
くずを捨てる手間も、毎度のことで煩わしい。
つづく
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