セカンドオピニオン男
マツオカ君はセカンドオピニオン男である。
聞き慣れない名前だと思う。
なぜならば、今作ったからだ。
「総務部は人によって言うことが違うんですよね」
マツオカ君はこんなことを言う。
それも、総務部長やエライ人がたくさん居る場に限ってだ。
それはお前がセカンドオピニオン求めてるだけだろ!
そう、誰もが突っ込んでいる
もちろん、心の中でだ。
マツオカ君は女子の間で、割とイケメンだと評判が高い。
でも足が短い
(今日の話にこれは関係ない)
彼は総務部のサトウさんの所に行って防災マニュアルについての見解を求める。
サトウさんは毅然としてモノをいう人なので、しっかり自分の意見を言う。
その時に「これは僕の個人的意見だけどね」といった言い訳はしない。
サラリーマンが会社において
「これは個人的な意見ですが」
と言ったならば、その人はくずである。
いや、ほんとに
サラリーマンというのは、組織に属して、そこで役割を演じることにより、安定的な給料を手に入れている。
その発言は全て、組織の一員として言わなければならない。
個人の意見を言っていいのは、個人事業主だけである。
個人の意見を言っていいのは、個人事業主だけである。
もしも「個人的意見」を口にしたらそれは、
「給料はとるけれど、責任はとりません」
と言っているに等しい。
これをくずといわず、何というのか。
さて、本題に戻る
この時、マツオカ君はサトウさんの意見が気に入らない。
自分にとって都合が悪い見解だったのだ。
すると、今度はサトウさんのいない所で、総務部のスズキさんに意見を求める。
スズキさんはサトウさんの上司なので、責任を持って見解を述べる。
それはマツオカ君にとって、好都合なものだった。
すると後日、防災マニュアルとはまったく異なるテーマで、件の発言をするのだ。
「総務部は人によって言うことが違うんですよね」
組織の中で意思統一がされていないような部署だから、他のテーマでも「その見解は額面通りにとれない」と評論してみせるのである。
場の空気がよどむ
マツオカ君は、深い洞察力と高い問題意識で、問題提起のスマッシュヒットを放ったと思っている。
その証拠に鼻が膨らんでいる。
でも足は短い。
しかし、その場にいる総務部の皆さんは違う。
今後、マツオカには迂闊にモノが言えないな
今度なにか尋ねて来たら「それは重要だね。よく検討するよ」と言ってはぐらかそう。
それでもヤツのことだから「そちらの仕事なんだから、方針を出してくれないとこっちは動けませんよ」と食い下がるかも知れない。
その時は仕方ないから、こう言うしかない。
「あとから総務部は人によって言うことが違うってことになったらいけないからね。部内でじっくりと時間をかけて検討したうえで、部署としての統一見解を出すよ」
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