可愛い子には5km走らせよ
関東平野一円が快晴に恵まれた日
僕はボランティアで皇居に来ていた。
清掃ではない。
皇居は2005年頃から、ランナーのメッカとなっている。
メッカでわかりづらいならば、ランナーの熱田神宮だ(余計わからんか)
皇居は江戸城があった場所であり、その外周はお濠が取り囲む。
その外側には一般道路が走っており、歩道もある。
この歩道が「ランナーのメッカ」なのである。
1周5km。途中には1つも信号がない。
それはそうだ。中から出てくるのは皇室関係者であり、滅多に出入りしないし、その時には信号など必要ないくらい、警備体制が敷かれる。
ここを左回りに走るのがお約束。
道幅が狭いので「逆走」すると、ランナー同士の衝突事故が起きかねない。
この日、一番の楽しみは「親子5km」
親1人、子1人が同じナンバーカードをつけて一緒に走る。
「リレー」ではない。
だいたいの場合、走る親だけでなくもう一方の親も会場に来る。
(見学の)母親が一眼レフを構えて、父親と娘を撮ろうとしているので、カメラマンを申し出る。
皇居をバックにした1枚。少し迷ったが全身を入れる。
被写界深度が深いので、うまく背景がぼけてくれるだろう。
Canon製はピントの合わせ方がよくわからないので自信がない。
二枚撮って、確認してもらう。
「ばっちりです」
見学の親はスタート地点で待機
かと思ったら、そのうち数名は「伴走」してくる。
その方がきっと楽しい。
携帯で電話してきて「今どこよ?」と確認してくるお母さん。
きっと暇を持て余している。
はじめの1kmは平坦
ここでお調子ものの子どもたちは、一気にスタミナを使い切ってしまう。
ベテランのマラソンランナーならば「入りはゆっくり」を心得ているが、子供らにその冷静さを求めるのは無理だ。
そして1km過ぎから2kmまで地獄の上りが始まる。
ここで、子ども達は一気に減速する。
なかには泣きじゃくる子あり。
お父さんがだっこしてしまう場合もある。
そうなると「親子5km」ではない。
「親5km(子ども付き)」だ。
一気に上った分、そこから先は「お楽しみの下り」
3kmあたりで一気に下り、千鳥ヶ淵を左折すると、右手に国会議事堂、最高裁、桜田門(「相棒」で毎回映る警視庁)左手にお濠の水辺を見下ろしながら快適な2km
泣きじゃくっている子どものふくらはぎに冷却スプレーをかけてあげる
「冷たい」
気づくと泣き止んでいる。
よかった
ここからは「下り」だから気持ちいいよ
すると女の子「がんばる」と言って走り出した
お母さんにっこり。
走るお母さんはキレイだ。
「親子ラン」は5kmくらいがいい
幼気な子どもに5kmも走らせるのは過酷だが、だからこそ、そこにドラマがある。
そこらの大人に「5km」は走れない。
だから、皆がびっくりしてくれるはずだ。
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