ホタル少年団に入れなかった(後編)
話しがアンモナイトに逸れてしまった。
「ホタル少年団」の話しに戻そう。
別に「ホタル・ラブ」(なんか怪しい)な少年ではなかったし、蚊に刺されながら掃除なんてしたくない。
それでも、その秘密結社(ではない)に入りたかった。
非日常な世界に憧れたからだ。
それに「選ばれし勇者たち」みたいで、かっこよかった
(ヨシヒコか)
それに「選ばれし勇者たち」みたいで、かっこよかった
(ヨシヒコか)
だが、僕は「ホタル少年団」に入れなかった。
「ファーストミットを買って欲しい」と言って、その熱き思いと意義を母に訴えた時のような記憶がないので、その理由は家族の反対ではないと思う。
恐らく「小学5.6年生」と「中学生」といった年齢制限があったのだろう。
「ホタル少年団」に入れなかった僕は、年に一度の「ホタル祭り」で夜の1人歩きを経験する。
町の名士や衆議院議員が挨拶した後は「誰やそれ?」と容赦なく突っ込まれそうな、テレビでは見たことのない演歌歌手が、誰もが知っている森進一の歌を歌う。
(半分、想像です^^;)
井上陽水のご両親とは違って
「これで、好きなものでも食べておいで」
と臨時のおこずかいを持たせてくれるような親ではなかったので、喧噪を見て聞いて楽しめばそれが贅沢。
少年団の連中は、その任務へと向かい、僕は1人家に帰るだけ。
ほんの少しだけ、何かやり残したような気持ちになって、再び2kmの家路についた。
事件はそこで起きる。
歩き初めて1kmが過ぎると、住戸も途絶え、田んぼに挟まれた県道の一本道。
ふと気づくと、10mほど後方に怪しい人影。
一度振り返り、チラ見すると年配のおじさんの様子
だが、怖くてガン見できない。
だが、怖くてガン見できない。
ひたひたと一定の距離を保ち、僕の後ろを着いてくる。
日頃、経験のない夜のひとり道
街灯もなく、滅多に車も通らず、あたりは真っ暗
世の中にまだ「誘拐」という犯罪が割に合わないと知れ渡る前の時代。
つい最近も、児童が誘拐された事件をテレビで言っていた。
僕は生涯の中でなんどか、意味不明な行動を取っている
狙われたぁ
それやから狙われたやないね~
突然、大声を上げると、泣きながら一目散に走り出した。
当時、GPSを持っていたら「1km5分台」くらいのペースだったと思う。
おじさんは着いてこなかった
後日、近所のおじさんが「突然、走り出して驚いた。怖い思いをさせたかも知れない。悪いことをした」と詫びてきたのを母から聞いた。
後日、近所のおじさんが「突然、走り出して驚いた。怖い思いをさせたかも知れない。悪いことをした」と詫びてきたのを母から聞いた。
いったい「狙われた」ことを誰のせいにしたかったのか、未だによくわからない。
その日、泣きじゃくりながら帰宅した僕を迎えた母が、なんと言ってなだめたのか。
もう尋ねることができない。
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