ホタル少年団に入れなかった(前編)
年配の人は、夏がくれば思い出すのは遙かな尾瀬らしいが
僕は夏がくれば「ホタル少年団」に入れなかったことを思い出す。
現在「ホタル少年団」をGoogle先生に尋ねると、茨城県の小学校を教えてくれるが、そこではないっぺ。
(奥茨城村弁)
こどもの頃、住んでいた山口県の盆地の町はホタルで有名だった
ホタルしか有名ではなかった
平成の大合併で「町」が消滅した今もそれは変わらない。
今も年に一度「るるぶ山口」で確認するのだが、その町について掲載されている情報は「道の駅」とホタル博物館(そんな名前だったと思う)だ。
昔から田んぼはたくさんあったが、当時は「農産物のブランド化」という概念はなかった。
養蚕とか織物とか、あるいは木工品といった特色のある産業もない。
社会科見学で訪れたのは「北九州工業地帯」だった。
「若戸大橋」に上れて嬉しかった記憶しかない。
(なぜか、吊り橋が大好きだった)
今でこそ「るるぶ」に載るような観光施設があるが、昔はそれもなかった。
「たった2つ」という言い方もできるが、2つも載っているという見方もある。
「るるぶ」に載っているのは、旅で行きたい「観光スポット」
そのスポットが一つもなくて「るるぶ」に何も情報が載っていない町や村は、日本じゅうにたくさんあるのだ。
その町の南側を流れる川には夏になるとホタルが現れた。
と言っても「よい子は5時を過ぎては遊んではいけません」という町なので(世の中もそうだったと思う)ホタルを目撃する機会はほとんどなかった。
それが年に一度、ホタルを目撃できる日が訪れる。
「ほたる祭り」だ。
町の中心にあるスーパーマーケットのとなりに広場があり(日頃は空き地だったと思う)そこに特設ステージをつくって、祭りは行われる。
広場には「ヨーヨー釣り」や「金魚すくい」といった夜店も並ぶ。
特に花火が上がるわけではない
(たぶん町にはそんな予算がなかったのだと思う)
司会者が町の名士を紹介して、挨拶する。
つづいて「衆議院議員」だという来賓の先生が挨拶する。
総選挙のポスターで見て、その顔は知っていたので「有名人を見た」ことが嬉しかった。
なにせ、その町で有名人など見たことがない。
芸能人が押しかけ、ポラロイド写真にサインするような超能力者が経営する四次元パーラーはないし、ここでしか食べられないような★★★(星みっつ)のグルメ店もない(たぶん)
僕はこの町に10年ほど住んでいたが、ここで見た有名人はこの議員だけだ。
(名前は克明に覚えているが割愛)
つづく
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