マラソン「サブ2」に迫る、カーボンを仕込んだ靴
大迫傑が初マラソンで履いたのは「厚底」でミッドソールに「フルレングスカーボン」を仕込んだ靴。
これはナイキの「42.195km 2時間切りプロジェクト」である「BREAKING2」でエリウド・キプチョゲが履いて2時間00分25秒の記録を出している。
その結果が示す通り、何やら怪しい。
特殊なギミックがその速さを後押ししていることが容易に想像できる。
ウェブサイトの説明から読み解くと、最重要ポイントは「カーボンプレート」のようだ。
ミッドソールの全面(フルレングス)にカーボンプレートが入っている。
過去にもナイキ「FOAMPOSITE」のように、アーチのみにカーボンプレートが入った靴はあった。
カーボンは部品代が高くつくため「FOAMPOSITE」の価格は25,000円前後だ。
そのカーボンプレートが全面に使われている。
誰でも考えつきそうだが、これまで誰もやらなかったことだ。
もう一つのポイントは「厚底」
明らかに見た目が変だ。
高速マラソンランナーの靴は「いかに薄いか」が重要と思われている。
実際、asics、adidas、NIKEの「サブ3」向きの靴は、いずれもミッドソールが薄い。
・軽量化のためには厚くできない
・薄くした方が効率よく力を地面に伝えられる
という理由からである。
しかし、この靴は女子高生の厚底サンダルか?と思うほどソールが厚いというより「高い」
これを履くと、かなり背が高くなりそうだ。
大迫傑はこの厚底のおかげで「レース終盤に足が残っていた」と語っている。
過去12回のレースでナイキを履いたことは一度もない。
練習で2~3回あるくらいだ。
普段履きは、ほぼ100%ナイキだが「走る靴」ではないと思っている。
2006年、マラソンを始めた時に履いた靴はasics「NEWYORK」
マラソン雑誌で研究したところ、これが一番売れていると書いてあった。
その知識でアートスポーツに行き「初マラソンなんですけど・・」とお勧めを聞くと「これですね」と出てきたのも「NEWYORK」だった。
それ以来「NEWYORK GT-2110」「NEWYORK GT-2130」「ソーティスーパーマジック」「ソーティジャパンテンカLV」とasicsで4足を履き替えた。
asicsには名工三村仁司が居て、谷口浩美、有森裕子、高橋尚子、野口みずきらの五輪シューズを作ってきた。
その技術がフィードバックされるasicsこそが、マラソンシューズでは唯一の選択肢だと考えていた。
一度、タイムを金で買う必要に迫られて「DISTANCE S」をはさんだ次のシーズン、三村仁司がadidasに移籍したことを知った。
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