2人のグルメ「食堂とだか」で展開したストーリー
「食堂とだか」のマスターは、同じフロアにある「立ち飲みとだか」にもメニューをデリバリーしているが、共に席数が少ないので、料理はそれほど遅延しない。
伝票に書き込んだ料理は、ひとつ片付けると、短すぎず長すぎず、絶妙の間合いで次打者がバッターボックスに入る。
それを迎え撃つ僕ら2人
ここまで、それほど会話もせず、出されたものを味わうことに集中してきた。
なにせ、きっかけは「孤独のグルメ」
孤独のグルメといえば「独り言」
1人で来て、声なき声で味わうのが似合う。
なにせ、きっかけは「孤独のグルメ」
孤独のグルメといえば「独り言」
1人で来て、声なき声で味わうのが似合う。
これが「五反田に美味い店があるんだ」と女を連れてきたアベックならば「揚げ出しにトマトとかふつう思いつかないよね?」「このウニは新鮮だね!」「鰯と茄子は合うねぇ!!」とかなんとか、わざとらしい評論で予定調和な場を形成して、マスターにその都度「美味いねぇ」などと声をかけて、食通を気取るところだろうが、僕らにはその必要がない。
この日のめぼしい会話と言えば、リニアモーターカー試乗の秋の日程が出たこと。
品川ではリニア新駅の工事が始まっている。
大田区は2043年まで人口が増え続けるるらしい。
ということくらいだ。
大田区は2043年まで人口が増え続けるるらしい。
ということくらいだ。
時計を見ると入店から45分。
陽水ならば、ようやく背中にたどり着いたところだ。
陽水ならば、ようやく背中にたどり着いたところだ。
これでは、とても制限時間の「2時間30分」までは必要ない。
ここで、アイスウーロン茶をお代わり
もう、うしごはんいく?
そうですね
短い打合せを経て、口頭でカウンター越しに呼びかける
「すみません!ぎゅうごはん2つください」
「うしごはん2つですね」
ここで僕がボケていることは、これを読んでいるあなたしか知らない。
「孤独のグルメ」で映し出された通りの手順でご飯に牛が乗り、この日のメイン「牛ご飯」がやってきた。
子どもの頃からみそ汁が苦手という僕は「体によいみそ汁」はパス。
空気を読んだのか、仲野君もその名前は口に出さない。
これが、唯一五郎ちゃんをトレースしなかったことになる。
牛は大きめの一枚肉が数枚
煮卵も鎮座している
煮卵も鎮座している
ご飯との配分を見極めながら、少しずつ牛を噛みきってはごはんとかき込む。
本来、ごはんは上品に箸でつかむよう躾されたのだが、ここは「五郎流」
あそこまで豪快ではないが、抱えた茶碗を傾けて口に押し当てながらかきこんでいく。
そして、最後はグラスに多めに残っていたウーロン茶を「ごくっごくっ」と喉を鳴らして、一気に流し込む。
おいおい、そんなに一気に飲むのかよ
といつも「孤独のグルメ」を見て、液晶画面に突っ込んでいた。
今日はそれをやらなければ、五郎の聖地巡礼は完結しない。
店を出て時計を見ると、入店からちょうど1時間
井之頭五郎同様「ウーロン茶で食事」ならば一時間程度がちょうどいい塩梅。
「これで、飛び込みで来た人が一時間半入れるね」
客を呼ぶ客、千客万来の客でありたい。
仲野君も「そうですね」と応じた。
おわり
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