懐かしいけれど魅力的ではない昭和
週末になると、僕は創刊号を捨てる
「slash」1997年12月25日
小学館 400円
ビッグコミックスピリッツの臨時増刊として創刊
雑誌はこのように、既存雑誌の増刊としてスタートするケースが多い。
海のものとも山のものともつかぬ新創刊誌
すぐ消えてしまうかも知れない。
そこで既存誌の母屋を借りて創刊
うまく軌道に乗ればその時点で、独自の雑誌コードをとるのである。
表紙は藤原紀香
9ページにわたる巻頭グラビアにも登場している
内容は若者男性向け総合情報誌
とらえどころのない雑誌である。
「フィギュア王」1997年2月25日
ワールドフォトプレス 980円
ワールド・ムック96と謳われているが「フィギュア王」としてはこれが創刊号。
EVA、スターウォーズ、ソフビ、GIJOE、ブースカ・・
ありとあらゆるフィギュアを無秩序に掲載している。
発売間もないバンダイHGシリーズ(通称ガシャポン)はウルトラマンの初期シリーズを完全掲載。当時、ガシャポンを特集した雑誌は他に類がない。
「仮面ライダー」はあまり商品化されておらず、レトロ品のデッドストックのみ。
ウルトラマン、仮面ライダーが「大人買い市場」向けに大量生産される前夜である。
「DIME」1986年5月1日
小学館 250円
僕が雑誌の創刊号を集めるきっかけになったのがこれだ。
DIMEは順調に部数を伸ばし、新商品紹介雑誌のトップを走る。
それはインターネットが登場し、一般に普及し始める1997年まで続いた。
巻頭見開き広告は「National」の「Hi-fi MACLORD」163,000円
VHSビデオデッキである
Wi-Fiではない。Hi-fiである。
「東芝Rupo(ワープロ専用機)」
「ミノルタα7000(オートフォーカスカメラの先駆け)」
といった広告を見ると、懐かしい。
パソコンもスマホもデジカメもカーナビも載っていない。
それでも、人々はこの雑誌に掲載される「形状記憶合金ブラジャー」といった革新に目を丸くしていた。
懐かしいけれど、魅力的ではない。
今回たくさんの雑誌を捨てながら感じたのは、その一点だった。
おわり
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