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2017年9月20日 (水)

つっこみどころ満載

「つっこみどころ満載」という言葉を一度でも職場で使ったことがある人は、これから先、幸せな仕事人生を送ることはできない。

結論からいうと、こういうことになる。
では、なぜそう言い切れるかを短く説明しよう。

他人がつくった資料、企画書などのいわゆる「成果」をみて、難点ばかりが目につき、あまりに品質が低くて笑ってしまうような時。
人はへらへら笑いながら「つっこみどころ満載だよね」と口走る。

「つっこみどころ満載」を言う人は、自分で何も造れない、創れない。
creative と対極にある人だ。
なぜならば、creativeな人は、ゼロから価値を創り出すことの壮絶な苦悩を知っている。
価値を創り出した人が、その後、どれだけ世の中から虐げられるかを知っている。
社長、取締役、部長といった特別な権力を持っていない限り、たいていの創造者は、心ない大衆の忌憚なき言葉に打ちのめされる。

創造者は創造者の気持ちがよくわかる。
だから、他人が創ったものに対する目は優しい。
たとえ、つっこみどころ満載だとしても、それを口にすることはない。
それは、空を見上げて唾を吐いているに等しいからだ。

さて、なぜ「つっこみどころ満載」を口走ると、仕事人生がうまくいかなくなるのか?
そう言う「満載くん」に対して
「だったら、自分で創ってみろ!」
と喧嘩を売ってくれる人はいない。
現代は穏やかな時代。
誰もが穏やかに生きたい。
「満載くん」との論戦で疲弊したくない。

スルーしたいのだ。
そして、そのスルーは「満載くん」の定年までつづく。


「つっこみどころ満載」という言葉を一度でも使ったことがある人は、これから先、幸せな仕事人生を送ることはできない。
そうは言っているが
「幸せな人生」が送れないわけではない。

奥さんや子供に囲まれて(友達には囲まれないと思う)
太鼓腹を突き出して、ビールでも呑んで
「パパ」とか「じぃじ」とか呼ばれて暮らすことは可能だ。
「つっこみどころ満載」をぶちかまして、仕事仲間から総スルーを食ったとしても、親族の中に幸せを見いだすことは、あり得る。

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