棄権 レース中に足を止める
ウェストポーチで持ってきた自主的な給食を終え、ペースが戻るとすぐ、ポーチ君に並び、抜き返した。
負けず嫌いと思われたらいやだな・・
まぁ、そんなこと気にしている場合ではない
BBQ広場に戻り折り返すと、およそ12km
風の音が止んだ。
村上春樹は「風の歌を聴け」といってデビューしたが、追い風を受けて走るランナーに風の歌は聞こえない。
彼はこの著作で群像新人賞を受けたことを後に「この受賞で小説家としての入場券を得た」と言ったが、追い風を受けた僕は、猛スパートのチケットを得た。
幸い、膝に力が戻って来ている。
さっきの痛みは一過性のものだったかも知れない。
いま、体が動けるだけのペースを遠慮なく引き出していく。
ここからは最後の折り返しまで4km
追い風区間はもう4kmしか残っていない。
もう少し長くてもいいのにな・・
そう思った途端、がくっと膝の力が抜けた
棄権
レースを始めて初めてこの二文字が浮かぶ
今日が本番レースならば、ダマし欺しゴールを目指す。
だが、ゴールは4週間先に控えている。
ここで無理をして、酷く膝を傷めるよりも、勇気をもって止めるべきなのかも知れない。
そこで、立ち止まった
止めるためではない
これまではレース中に立ち止まるのは「歩いた」ことになり、それを「完走」とは呼ばない。と意固地に考えていたが、考えを変えることにしたのだ。
「motoさん、足が吊ったら無理せず停まって、ストレッチ入れたら回復しますよ」
半年前、走る友達が僕に教えてくれた。
後続ランナーの邪魔にならぬよう、コースの外に出てストレッチ
(後続のランナーはいなかった)
再び走り出す
河川敷ゴルフ場「東急ゴルフパークたまがわ」では、50代のおじさんがアイアンを手にティショットのアドレスに入っている。
順番を待っているおばさん、泥んこになって走る僕らをみて「なんかあってるんかねぇ」
アイアンが芯を食う音を聞きたいな、と思って注目していたが、なかなか打たない。
僕が見ているのが気になったのかも知れない。
もう少し下流、ガス橋の先にあるのは「川崎リバーサイドゴルフ場」
今日のコースは東海道新幹線のガード先まで。ガス橋まではいかない。
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