清宮幸太郎 いきなりメジャーを語る
言葉を大切にする男、清宮幸太郎はメディア取材の受け答えでは、語彙と文字数の多いコメントを述べる。
運動能力に才能の比重が傾いたプロ野球選手が多いなか、これから異色の存在となるだろう。
その彼が「ドラフト会議で指名を受けた」というだけの会見で、臆面もなくメジャーリーガーの夢を語った。
予め、彼の心のうちは多くの野球ファンが知っていたので驚いた人は少なかったかも知れない。メディアもそこにはコミットを控えている。
だが、社会人の常識からは外れている。
これから入る会社の内定式で「将来はもっとレベルの高い会社に転職します。そのためには(レベルが低いこの会社でこけているわけにはいかないので)目先の一歩を大事にしたい」と言っているようなもの。
あの台詞、クジを当てたのが巨人だったら言っただろうか。
松井秀喜に逃げられて以来、生え抜きのスターに飢えている巨人は、その二の舞になるリスクをとって、清宮を指名した。
入団交渉の席では「5年でMLBに売ってあげるから、どうぞいらっしゃい」とは言わないだろう。
それを言ってくれることを監督自ら匂わせているチームだから、気が緩んだのかも知れない。
日本ハムファンの皆さんはどう思ったのだろうか。
FAやポスティングで名選手に逃げられるのは慣れっこだから、あまり気に留めないということだろうか。
清宮幸太郎の略歴
1999年5月25日
東京都生まれ
2015年
早稲田実業高校入学
夏の甲子園出場 ベスト4
これが最後の甲子園となった
2016年
7月23日、西東京大会準々決勝で八王子学園八王子に敗れ「夏」が終わる
3点を追う九回走者2人を置いた初球、速すぎて見えなかったスイングで捕らえた球は高い放物線を描いた分、ちょうど吹いてきた神宮の逆風に押し戻された
2017年10月26日
2017年ドラフト会議7球団が1位指名、日本ハムがくじを当てた
迎えた第53回ドラフト会議
高校生、大学生・社会人が合同開催に戻って10年め。
日本ハムは清宮幸太郎(内野手 早稲田実業)につづき、2位でも「1位候補」に挙がっていた西村天裕(投手 NTT東日本)を指名。
他球団が羨む結果を得た。
田嶋大樹(投手 JR東日本)を得たオリックス。
鈴木博志(投手 ヤマハ)を得た中日は、来期が楽しみになった。
清宮幸太郎を指名してクジを外したソフトバンクの王貞治会長のコメントが報知新聞に紹介されている。
「残念だけどしょうがない。あれで(当たりくじが)残っていたら出来レースと言われそう」
恐らくかつて、松井秀喜のクジを長嶋茂雄が引き当てた後「当たりくじが箱の裏に貼ってあった」と揶揄されたジョークを引いている。
自分が長嶋同様特別な存在だと自認しているのだろう。
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