関門橋は渡らない、第10回下関海響マラソン
「次のレースはどこですか?」
下関です
「え゛下関まで行くんですか?」
えぇ
「橋は渡るんですか?」
この会話が、ここ数ヶ月で何度かあった。
どうやら下関といえば海峡、海峡には関門橋
マラソンというからにはきっとそこを渡るに違いない
そんな思考遷移が、世の中ではステレオタイプになりつつある。
千葉にはアクアラインを渡る「ちばアクアラインマラソン」がある。
「能登和倉万葉の里マラソン」「下関海響マラソン」では大きな橋を渡る。
だが、ランナーでもない一般人には、そんなことは知られていない。
恐らくそこに「海峡」があると、日本人には「渡りたい」というDNAがあるのだろう。
かくいう僕も2008年の第1回下関海響マラソンが発表された時「橋を渡れるのだろうか?」と考えた。
それは、僕が子どもの頃、関門橋と共に大きくなったという実感があり、関門橋への憧憬が強いからだ。
ちなみに「橋は渡るんですか?」に対する僕の回答はこうだ。
関門橋は高速道路です。もちろんそこを停めてマラソン大会をするという選択肢もあるでしょうが、物流の要なので半日停めてしまうと、九州経済に大きな影響が出ます。
それに橋の上は風が強いから、人が走るのは危いでしょうね。
1973年に関門橋が開通した時、若戸大橋のように人も渡れるものと思っていたので、高速自動車国道専用と知った時は愕然とした。
あれだけ、大騒ぎで作っておいてクルマしか通れないとは・・
それほど、関門橋の進捗は大きく報道されていた。
壇ノ浦と和布刈に橋脚が立ち上がり、最初のワイヤーロープがかかる。
関門海峡は早鞆瀬戸(はやとものせと)と呼ばれる。
鳴門海峡、長崎の西海橋と並ぶ日本三大潮流に数えられ、潮の流れが速い。
一定時間、狭い海峡を封鎖することで物流への影響が大きい。
そもそも、工事の船が潮に流されて危険だ・・
風船で飛ばす案なども出るなか、船でワイヤーを運ぶ案に落ち着いた。
そのロープからロープが下がり、両岸の橋脚から橋梁が延びていく。
そして1つにつながる。
できる途中も、できてからも、関門橋は僕にとって共に育った特別な存在。
わが心の関門橋である。
わが心の関門橋である。
2017年11月5日(日)
第10回下関海響マラソンを走りに来た
ランナーには好レースを、下関市のボランティアの皆さん、沿道の皆さんが過ごしやすいよう、好天を祈る。
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