譲り合いの小倉スタイル
新幹線の「新下関」と在来線の「下関」は遠いので「小倉」からは在来線へ乗り継ぐ。
さくら568号が小倉に着いた5分後、2番線から出発する鹿児島本線下関行きには間に合わないだろうと思っていたが、4分で2番線に到着。
座ることはできないかも知れないが、日本人は先進国ではもっとも「座り過ぎ」らしいので(1日7時間座っている)ここは立つことを覚悟して乗り込む。
立って行っても下関まではわずか15分だ。
発車間際ということもあり、車内はそこそこの乗車率。
クロスシート(向かい合わせ4人掛け)とロングシート(2人掛け)がミックスされた車両には、ぽつぽつと空席がみえる。
せっかくならば、座らせてもらうかときょろきょろしていると、クロスシートに座っている推定23歳の女性が僕の視線を捉えて、腰を浮かして窓際に寄ってくれた。
え゛
なんで、そんなことするの?
これは東京では考えられない
寝たふりをするか、上着の裾をさりげなく広げて「ここは無理」という合図を送るのが東京スタイル。
せっかくだからお邪魔しようかと思ったが、足下が狭いクロスシートでは荷物を置くスペースがない。
ご厚意に礼を言って、その先ロングシートに空いていたおじさんの隣りへ
すみません・・と言いながら近寄ると、おじさんも腰を浮かして端へ寄ってくれた。
このマナーの良さ、人への優しさは小倉流なのか
九州が東京と比べて田舎だからではないはずだ。
なぜならば、佐世保ではバスで空席の2人掛けに座ると、宇宙人を見るかのような目で驚かれてしまう。
土地柄なのだろう。
人が優しい町に安心感がある。
殺伐とした心の盾を寝かせることができる。
これから始まる下関海響マラソンの物語にも、そんな優しさが流れているといいな
小倉を出た鹿児島本線は、途中「門司」に停まる。
子どもの頃は「下関」「小倉」という二大商業都市にはさまれて、冴えない町という印象があったが、昨今は観光名所としてのアピールが行き届き、全国的な知名度も上がっている。
そんなことを考えて油断していると、門司を出たらすぐトンネル
トンネルを抜けるとそこは
懐かしの町、下関
子どもの頃、父母に連れられてのお出かけはいつも下関
子どもの頃、父母に連れられてのお出かけはいつも下関
西口に出る
そこにうすい水色、大丸の影を探す
そこにないことはもうわかっている
視線を右に回すとニチイもない
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