大丸、ニチイ、丸栄ときどき快音堂
「記録より、記憶に残る、海響のドラマ」
大会キャッチフレーズの垂れ幕がスタート・ゴールのアーチに架かっている。
初めてこのフレーズを公式ウェブサイトで見た時は、おいおい^^;)なに開き直ってんだよと苦笑した。
マラソンランナーならば、できれば、タイムは遅いより速いほうがいい。
東京マラソンが2017年から高速コースに生まれ変わったように、全国各地の大会は「フラット」「走りやすい」「自己ベストが狙える」を謳う傾向にある。
そのなかで「記録より記憶」を謳うのは異端だ。
ということは難コースということになるが、走力がある人はどんなコースでも速い。
「記録より、記憶」
スタートラインをまたいだ時、この言葉に実感はなかった。
それは、ゴールした時にわかるのだろう。
コースは左折、右折のあと国道9号線へ出る。
コースの大半が国道であることも下関海響マラソンの特徴である。
この道は子どもの頃、数え切れないほど通っているが、それはすべて父が運転する車かサンデンバス、長鉄バスであり、こうして自分の足で走るのは初めて。
右手には「快音堂」というレコード屋があり、姉と僕はここでSP盤のレコードを買うのが楽しみだった。
当時レコードは1枚400円ほどで、それは数ヶ月分のおこずかいに相当した。
従って、ここを通る度に快音堂で新譜が買えるわけではない。
レコードを買えない時もここを通ると、窓越しに快音堂を食い入るように見た。
快音堂だ!
そうだね
姉と僕は今日もそこに快音堂があることで、高揚感を味わうのだった。
世の中は移り変わり、音楽環境はレコードからCD、音楽配信に取って代わった。
もうきっと快音堂はなくなったんだろうな・・
(後日「Google先生」に尋ねたら、昔ながらのその場所に快音堂はあった)
右足が痛い
二番目内側のアイレット(靴紐を通す穴)のあたりに激痛が走る
右足はマメができやすいから、いつも以上にきつくシューレースを締めすぎたのか。
まだ、先は長い
今のうちに一旦停まって結び直そうか?
いや、それだけでも1分ほどのロスになる
目標タイムが明確にある時「1分」はとてつもなく大きい
悩んだ挙げ句、いったんコース左側、中央分離帯のところへ出て、かかとをトントン、ベロの下に指をねじ込んで少しでも緩めようとする。
これで、様子をみよう
しばらくすれば、何事もなかったように忘れるかも知れない
10秒ほどのロスで、再び走り出す
1kmを過ぎた所で、海、そして関門橋が視界に入る
この光景は強く心に焼き付いた
まっすぐ前をみて走っていると海響館には気づかない。
唐戸(からと)では沿道の人垣が増す
今や唐戸市場は一大観光地
るるぶなどの旅行情報誌では「下関の顔」となっている。
視線を右に送る
昔はデパート「丸栄」が入っていたビル
今はホテルになっている
下関に来ると「大丸」「ニチイ」「丸栄」が定番だった。
そして、ときどき快音堂
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