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2017年12月 4日 (月)

設楽、神野、大迫 箱根駅伝スターの競演は14kmまで

リオ五輪までのマラソン日本代表選考は、3つの選考レースを設け、比較考量で選出されていた。
しかし、異なる条件のレース結果を元に「会議で決める」のは、選手としてはすっきりしない。
これを柔道でいえば、3つの大会で3人の優勝者が出て、会議でそのうち1人に絞るといったことになる。
一度も同じ土俵で戦わないで、それでも決めてしまうのは、マラソン特有の悪しき慣習と言える。

そこで、東京五輪マラソンの日本代表は「MGC」という一発勝負で決めることになった。

MGC
2019年9月以降に開催、2枠を決定
さらに「MGCファイナルチャレンジ」を開催して残り1枠を決定

なんだ、結局 一発勝負じゃないじゃん・・
まぁ、それは万が一、大迫傑がインフルエンザにかかり
MGCに出られなかったらいけないので、よしとしよう。


この日の「福岡国際マラソン」では次の条件をクリアをすれば、MGCへの出場権が手に入る。
2:10:00以内→日本人上位6位まで
2:11:00以内→日本人上位3位まで

2017年12月3日(日)
第71回福岡国際マラソン
大迫傑は招待選手を表す黄色地に「27」のナンバーカードをつけて、スタートラインに並んでいる。

12:00現在 晴れ 13.4度
気温はそこそこだが、日差しがある。
大記録が生まれる good condition とは言えない。
日差し対策として、大迫傑はナイキの白いキャップ。
「市民ランナー」川内優輝はキャップに日よけまでつけている。


1km
平和台競技場のトラック上
大迫傑は3分4秒程度。
先頭につかずコールドスタートしているところに、賢明な戦略が窺える。
この賢明さは、レース終盤まで、多くの気づきを与えてくれることになる。


5km
大迫傑は先頭集団に位置。
先頭を走るペースメーカーから2秒遅れ。
テレビ朝日のゴール予測は2:06:26と表示された。
代表選考レース各の大会と言えばNHKというイメージを抱いていたが、福岡国際マラソンは以前からKBC(九州朝日放送)の制作、テレビ朝日系列で放送されている。

この日、大半のエイドは5km毎のポイント直後に設置されていた。
第一エイド、大迫傑はペースを落としながら慎重に取り、しつこいくらいしばらく飲んでいた。
これだけ、長く飲むエリートランナーは見たことがない。


前年の福岡国際マラソンを制しているイエマネ・ツェガエ(エチオピア シューズ:アディダス)が早くも遅れ始める。
2017年世界選手権(ロンドン)では足がつって途中棄権しており、調子は戻っていない様子。


ペースメーカーのペースが安定しないため、スティーブン・キプロティク(ウガンダ)がペースメーカーから少し離れ、集団を先導する。
キプロティクはロンドン五輪(2012年)マラソンの金メダリスト。
色違いだが、大迫傑と同じ「NIKE ZOOM VAPORFLY 4%」を履いている。

10km
ゴール予測タイム 2:06:35
コースは202号線、東向きに変わる。
片側2車線を使い、対抗車線はクルマが渋滞している。

第2エイド
大迫傑は給水テーブルでスペシャルドリンクを見つけることができなかった。
通り過ぎた後に振り返り「あれっ?」という表情
ボトルが密集して置かれており見えなかったのか。
あるいは、手違いかなにかで置かれていなかったのか。
その後、ジェネラルテーブルで「水」を摂った。


大迫傑は先頭集団の後方、中央にいる。
風を受けず、周囲がよく見えるいい位置取りだ。


14km過ぎ
初マラソンの設楽啓太(東洋大→日立物流)が遅れ始める。
同じく初マラソンの神野大地(かみのだいち・青山学院大→コニカミノルタ)はペースメーカーの直後に付いた。
設楽、神野、大迫、箱根駅伝のスター競演は、ここ数年地味過ぎた日本のマラソン・レースをとても華やかなものにしている。
この時点では・・

つづく

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