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2017年12月26日 (火)

「手のひら返し」は今や日本人のお家芸

しらべるが選ぶ2017年の5大ニュース

今年も5大ニュースを選ぶ時期がやってきた


それが確かならば、この1年は危うさと背中合わせながらも奇跡の1年だった。
つまり、結果的に平穏な1年だったということだ。
現実から目を背けることはできないが、慣れるしかない。
人は緊張したまま1年を過ごすことはできない。



第5位
白鳳 汚い

12月20日
日馬富士の暴行事案に関連して、横綱審議会は相撲協会に対して「白鳳にも厳重注意」を進言した。
それは、暴行があったとされる「現場に居合わせた責任を問うべき」というものだ。


「Google先生」に「白鳳 汚い」というキーワードで問いかけると、4,860件の記事がヒットした。
ルールの範囲内で荒技を使い、勝利を重ねる「実力主義」の横綱。
その手法に憤る人が少なくない。


かつて、プロレスラーアントニオ猪木は「実力主義」を掲げていた。
英語で言い換えたのが「ストロングスタイル」だ。
まだ昭和まっただ中、プロレスが週3回ゴールデン枠でテレビ放送されていた時代のことだ。
猪木が掲げる「実力主義」の対極として俎上に挙げたのはジャイアント馬場。


当時、興業格闘技は日本人と外国人が戦うものと相場が決まっていて、日本人同士の対決はマッチメイクされなかった。
馬場と直接対決することが叶わない猪木は「戦えば俺が上」ということを「実力主義」という言葉で暗喩していた。

猪木は荒技も使った。
反則技は5秒間続けないと負けにならないプロレスで、1秒で打ち終わる(反則の)ナックルパンチを打つことは「汚い」
猪木の日本プロレス時代、新日本プロレス旗揚げ後を一貫して電波に乗せたテレビ朝日(旧NET)はそれを「ナックルパート」と呼んで誤魔化した。

汚い手も使って勝つ日本人
それを誤魔化す放送局
暴力に魅せられるファン

試合の勝ち負けや技量と言った本筋とは別に「ショーとしてのドラマがある」プロレスでは、その構図がやり玉に挙がることはなかった。
所詮、ショービジネスなのだから。


相撲協会のエライ人が白鳳の汚さに言及を始めている。
何を今さらだ。
相手が不祥事で弱ったところで「実は前から思っていました」とやるのは汚い。

言うならば、もっと前から言え
猫だまし連発の時に厳重注意しろ


「手のひら返し」は今や日本人のお家芸
権威・立場のある人が言及する
それをメディアが伝える
すると「裏が取れた」とばかりに、名もなき大衆が後を追う

日頃は「長いものには巻かれ」ておいて、いざ「長くなくなる」と「実は前から思っていました」と手のひらを返す。
名誉毀損で訴えられるリスクがなくなったら、一気呵成に行く。
それは下品であり、自らを貶める。
自戒しなければならない。

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