ありがとう、また逢おう!ノモマックス
結局、ノモマックスは3足手に入れた。
履いていた2足は加水分解により既に廃棄しており、最後に残ったのが「保管用」として買った1足。
世の中の転売屋の皆さんが、ひと儲けを当て込んでいた在庫が「スニーカーブーム終焉」でダブつき、投げ売りの舞台となっていたヤフオクで5,000円弱だった。
買ってからずっと、箱に入れたまま仕舞っていたのでキレイなまま。
時々、箱を開けてはうっとりしていた。
だが、2011年に「履いていた靴」を処分してしばらく経った時、箱を開けるとそこには先輩2足と同様、ヒールが割れビジブルエアが黄色く曇った姿があった。
生涯「箱生活」をさせては、ノモマックスに申し訳ない。
それから、靴ラックに移して「展示用」として廃棄へのカウントダウンが始まった。
1997年頃の「第一次スニーカーブーム」当時、靴仲間の間では「靴は飾るものではなく履くもの」という信念を述べるスタイルが流行っていた。
ブームの外にいる人からすれば「靴を履くのは当たり前」なのだが、コレクターにとってみれば、苦労して手に入れた1足が汚れへたるのは忍びない。
そこで「履く靴」と「飾る靴」の2足買いという技が登場した。
これは当時、ナイキブームと並行してブームが起きていた「G-SHOCK」にも言えることだ。
不幸にも「G-SHOCK」の場合、1つのモデルで「4色展開」イルクジなどには「6色展開」といったものがあり、それを「コンプリート」していたコレクターの手元には、数年後、黄ばんだベルトと電池切れして何も表示しなくなった時計が大量に残ることになった。
スニーカーの場合も「3シーズン」展開されると、1stカラー、2ndカラー、3rdカラーと配色が変わるモデルがある。
そこまで酔狂ではなく、財力もない僕は「集める靴は1stカラーのみ」と誓っていた。
従ってノモマックスも1stカラーのみ。
この誓いに従い、2011年に「ナイキ エア マックス ノモ」として数種類が復刻された時も、1stカラーが含まれていないため見送った。
ノモマックスは、手に持つとずっしりと重い。
試しに計量すると実測重量(27.5cm)
左:492.5
右:492.5
今、履いている最新のナイキと比べると2倍の重さ。
ソールに水分を含んだとはいえ、隔世の感がある。
それにしても、左右がぴたりと同じ重さの靴は初めてだ。
始めから精密に作られていたのか、経年のうちにどちらかが多めに水分を含んだのか。

11年にわたる「箱生活」のあと、7年にわたり「飾る靴」だったノモマックスは、シューレースさえ通していなかったことに気づく。
一度も紐を通さず
一度も足を入れず
一度も家から出ることなく
一度も地球を踏みしめず
ゴミ処理場の焼却設備で燃やされてしまう
もし君に感情があれば、靴として生まれてきて、これほど無念なことはないだろう
僕は思う
展示するためだけに買うようなことをしてはいけない
一旦選んで買ったならば、きちんと使いこまなければならない
使いこむ順番が回ってこないほど、たくさんのモノを買わない方がいい
1997年1月以来、21年にわたり家にあったノモマックスが、これですべてなくなった。
ありがとう、また逢おう
きっと、ナイキがいつか復刻してくれるよ
信じて再会の日を待つ!
→わが心のノモマックス(もくじ)
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