指定席の僕へ 「ゴール裏の人」からの反論
YBCルヴァンカップグループステージ6節(最終節)
湘南ベルマーレ戦
ハーフタイムはどこの試合でも15分だと思う
テレビ観戦や指定席で座って見る時は長く感じる時間だが、ゴール裏ではあっという間に過ぎる
周りに話し相手がいるからではない
周りのみんなは買い物に行ったりしていなくなるし、僕は座り込んでじっとしている。
恐らくそれは体力回復の時間なのだ
これまで、45分間立って歌ったという経験は、名古屋の栄でセーラー服おじさんとストリートライブをやった時の一度きり。
カラオケの場合、5分立って歌えば5分座って休める。
だが、ゴール裏では45分座らない
(チャントは歌いっぱなしではなく、お休みの間もある)
ただ、立ち続けている間、苦痛は感じていない
42.195km走る訓練は、こういう時に活きるな・・
と独りごちる
「ふわかるびよーん」のナイキ エピック リアクトの弾力性が、ゴール裏活動にぴったりのクッショニングを与えてくれている。
ふと気がつくと辺りに喧噪が戻り、ピッチには選手が戻って来ている
少しだけ水を口にふくみ、さぁ、やるかと立ち上がる
<後半>
むこう側のゴールに向かって攻める長崎
だが、試合の大半はこちら側で行われている
そもそもピッチが遠すぎて、よくわからないのだが、ただ1つ言えることは「落ち着かない試合」ということだ。
互いがプレスを掛けて、高い位置でボールを奪いにいく
コンタクトが激しい
「ノーガードの打ち合い」と言えば、エキサイティングなゲームのように聞こえるが、実際には足下が落ち着かない、ただ蹴り合っているだけの試合に見える。
湘南に3点めが入ればすべてが終わりだ。
長崎が早い時間に1点を返せば、局面が変わる
ここにいる誰もが同じことを考えているだろうが、誰1人口には出さない
なぜならば、口から出ているのは長崎の選手を応援するチャントだからだ。
指定席に座ってみる試合では、そこかしこに私設評論家がいて、一家言が開陳される。
「もっとワイドに見なきゃ」
「もっとワイドに見なきゃ」
「GKもっと前に出ろよ」
「**どこに蹴ってんだよ」
あ、評論じゃなくて愚痴か・・
そんな鬱陶しい言葉を聞く必要がない、この場所は心地いい
誰もが「目の前の一分に集中」している
そして、同じことをしている
ゴール裏を外から見ている時に僕はこう思っていた
「ずっと立っていて、きつそう」
「旗や横断幕で前が見えないんじゃないの」
「皆で同じことをするのは異様だ」
そして今、僕は「ゴール裏の人」となって、かつての僕に言う
立っているのはきつくない
旗などによって前が見えないのは一瞬のことだ
(チームによっては試合じゅう旗が振られているところもあるが・・)
そして、結果的に皆がやりたいことが同じなのだ
試合が終わり、V・ファーレン長崎の「YBCルヴァンカップ」初出場はグループリーグ敗退となった。
折り返しの3節までは「1位通過」が見えていただけに惜しい。
しかし、時は流れ、サッカーは前に進んで往く
僕らは挨拶にきた選手をねぎらい、最後の1人つまり高木琢也監督の姿が見えなくなるまで「共に闘うぜ」を歌い続けた。
♪
俺らみんな唄い続ける お前たちと共に闘うぜ
「V・ファーレン長崎関東サポーター会 チャント関東version」より
高木琢也監督 試合後の談話
「遠方より来てくださったファンやサポーターの方々には大変申し訳ないゲームをしてしまった。それと同時に、感謝の気持ちが今あります」
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