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2018年5月10日 (木)

初めて五島の土を踏んだ日 五島の日に寄せて

5月10日は五島の日。
長崎県南松浦郡新上五島町が推進しており、実際にイベントも開催している。

五島と言えば「長崎県の五島列島」であることは、教会群が世界遺産候補になったこともあり、有名になりつつある。

しかし教会に興味の無い僕にとって、かつて住んだ五島と言えば、ただ海がある島(当たり前だが)
何か名物は?と言われると「五島うどん」くらいしか思い浮かばない。
それも住んでいた頃は、五島以外の地では無名。
佐世保の親戚に遊びに行く時も「五島うどんば買うてきて」と言われたことはない。
近年になって「五島うどん」が流行っていることを知った。


五島=五島列島というからには5つの島があるわけだが、実際には140ほどの島に対する総称である。
そのうち特に大きな島が5つ。
中通島・有福島・奈留島・久賀島・福江島

一番大きな島は福江島で通称「下五島」
二番目に大きいのが中通島(なかどおりじま)で通称「上五島」
平成の大合併により2004年から福江島は五島市、中通島は新上五島町になった。


五島の日を推進している新上五島町は「上五島」
その中心の町が「青方(あおかた)」

上五島には2つの大きな町がある。
1つは、かつて全日本プロレスが来て、マスカラスやジャイアント馬場、鶴田友美(ジャンボになる前)が試合をした「青方」
もう1つは佐世保からのフェリーが着く「有川」
商店街が1カ所にまとまっており、カップヌードルの自販機が上五島で初めて設置された「青方」の方が、どちらかというと大きな町という印象が残っている。

僕が住んでいたのはその「青方」と「有川」の中間に位置する「魚目」 旧・新魚目町
「しんうおのめちょう」と読む。
冗談のようだが本当だ。
僕のようなお調子者は自虐ネタにしているが、妙齢の女子ならば出身は?と聞かれたら「五島です」に留め、多くは語らないだろう。


僕は小学校の途中で教諭を務める父の転勤により、山口県の盆地から長崎県の上五島へ転校した。
普通、教諭というのは都道府県単位採用の地方公務員なのだが、まぁこういうこともあるのだ。
大人になりものごとがわかるようになって初めて不思議に思ったが、当時は「転校」そのものがショックで、越県異動について疑問はもたなかった。


山口から佐世保まで、父が運転するクルマで移動
佐世保のおじいちゃん家で一泊して、翌日、フェリーで五島入り。
僕はなぜか、その日の朝から船に乗るまでの記憶が無い。
気がついたら、360度海に囲まれていて、ダマされたような気分になった。
おまけに生まれて初めて乗る船に酔い、三半規管をやられた僕は、五島に着いて半日が過ぎた夜九時を回ってもまだ、地球が上下に揺れていた。

職員住宅の二階、しんと静まりかえった姉と2人で使う3畳の部屋で、日本の西の果て(佐世保)、その先の海の向こうに来てしまったことに向き合ってみる。

この空間が「五島」なのか
これは現実なのか
本当に僕は来てしまったのか

今、自分が五島に居るという事実を受け入れられなかった僕は、とりあえず無かったことにしようと決めた。

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