« 指定席の僕へ 「ゴール裏の人」からの反論 | トップページ | リクエストによってさらに「停まる」スポーツに進化したプロ野球 »

2018年5月31日 (木)

考えている夢を見た

考えている夢を見た
夢の中でだ
考えてみると、これは生まれて初めてなのではないか?

想像してみてください
あなたにはあるだろうか?
夢の中で考えている夢をみたことが


恐らく、僕は夢の中にいた
それが夢の中だったと言うことに
数時間が経ってから気づいた

なぜならば、僕はずっと考えていたからだ
あぁでもない、こうでもないと考えているから「僕は起きているのだろう」と思っていた。
だが、どうやら違う
僕には起きていたという確証がない
その夢とは、こんな内容だ


僕は、あるお金持ちの家を訪問している
その日からその家の2人兄弟の家庭教師を務める
男の子は2人とも小学生
お兄ちゃんは、きっと私立中のお受験でもするのだろう
下の子はまだ小さい。メインはお兄ちゃんのようだ。

お母さんが品のいい調度品が整った客間にケーキと飲み物を運んでくる。
人心を混乱させるような派手さはなく、金持ちのおごりなど微塵も無く、とても感じのいい人だ。
子どもたちはケーキが来たからと言って、取り乱すこともない。

その日は子どもとの挨拶を終えてお暇するはずだったが、そこへ父親が帰宅した。
話しはここから、複雑になる。


「あぁ君がそうか」
父親は腰を下ろすや否や、僕を値踏みするような質問をいくつか投げかけてきた。
それは「禅問答」に近いもので、友好的な人間関係を築こうと思う者ならば口にしないような、挑発的な内容だ。
「いったい、君はどれほどの人物なんだ?」
ということを確認したいらしい。


はじめのうち冷静に応えていた僕は、しばらくして、ふとあることに気がついた。
自分が「自分を評価してもらおう」と最大限に脳を回転させて「気に入ってもらおう」としていることに。

「結果を出してもらわないといけなんだけど、ホントに大丈夫なの?」
父親の言葉が僕のトリガーに手をかけ、思い切り引いた。


僕はこの傍若無人な輩の言葉に耐えなければならないのか?
ここに来る役割を与えられているということは、僕もそれなりの属性(わかりやすく言えば「いい大学」)により選ばれているのだろう。
僕は口火を切る。


このお話はなかったことにしましょう。
結果を出せと言われましても、さぁこれから関係を築いていこうかという時に、結果は出せません。それは後々のことです。
それよりも、今は「私がお子さんのために全力を尽くそう」という動機付けを持って、お任せいただいた仕事に当たれるか?否か。
その出発点に立っているのですから、互いの共感を醸成するための会話こそが、この場に相応しいのではないでしょうか


とここまで考えて、僕はその内容の添削を始める。
いや、ここで感情的になるのはどうか。
冷静で謙虚な言葉を選ぼう
そうして、あといくつかの回答パターンを検討する

あるいは、この場をやり過ごしてから、お断りの電話を入れればよいのではないか。

「急な論文の課題が出て、お役に立てなくなりました。中途半端な気持ちではご期待に添えそうにありませんから、ご辞退申しあげます」
理由はこんなところでいいだろう・・

いや、ここは思うところを伝えることが、互いのためではないか。それが、今の僕に与えられた修行なのではないか。


こんなふうに、考えに考え抜く途中で、このストーリーは終わっていた。すぐに目が覚めたわけではなく、ただそこで終わった。
だから、きっと明け方、眠りが浅くなった時間帯にみていた夢なのだろう。

夢でも修行するなんて、ご苦労様です。

| |

« 指定席の僕へ 「ゴール裏の人」からの反論 | トップページ | リクエストによってさらに「停まる」スポーツに進化したプロ野球 »

ノート」カテゴリの記事