アイスブレイクを予告するな!
2018年に入り、アジェンダに「自己紹介・アイスブレイク」と書かれている研修会が散見されるようになった。
アイスブレイクとは「研修会で参加者の頑なな心を解きほぐすための仕掛け」をいう。
研修会というのは見ず知らずの者が集まるものもあれば、ひとつの会社組織や部署の人だけを集めて行われるものもある。
見ず知らずの者同士が、会った瞬間からフレンドリーなわけがないが、社内ならばそうかというとそうとも限らない。
参加者には「斜に構えることを」身上としている人もいるし「こんな研修、なんの意味も無い」と頭から決めつけている人も居る。
そうした、あらゆる「醒めた人」の冷え切った心を溶かすから「アイスブレイク」なのである。
アイスブレイクで最も代表的なのは「自己紹介」
さぁ、今から3分間で、となりの人と自己紹介をしてください。はい、はじめっ!
というようなムチャ振りを講師が予告もなく仕掛けてくる。
意表を突かれた参加者は、とりあえず、その空気を読んで乗らなければならなくなる。それだけでいいのだ。
ところが昨今「アイスブレイク」をアジェンダに書いて予告する主催者がいる。
冷え切った心の人に対して「お前、どうせ斜に構えて来るんだろう?」「冷えてるだろう?」「まるっとお見通しよ」というわけだ。
こういうことをアジェンダに書いてしまう主催者に、僕は違和感を感じるし、その研修会には行かない。
研修の目的は大まかに「正確な理解」をして「正しい行動」をとることに尽きる。
講師が一方的に壇上から話す学校形式の座学だけで、この2つの目的を達成することができれば、自己紹介やアイスブレイクなど要らないのである。
しかし、2010年代以降の研修では「アイスブレイク」を織り交ぜることが多い。
その理由は2つある。
1,講師の話がつまらない。
2,受講者が寝てしまう
というのは、ネガティブな側面からの言い方で、もう少し格調高くいうと
1,研修の品質が不十分
2,受講者は自らも話をすることで、興味と関心を高めることができる
ということになる。
従って、自己紹介、アイスブレイク大いにけっこう。
だが、それがアジェンダに刷り込まれていて、しかも1時間もとってあったりすると、これから参加する人は身構えてしまう。
自然体でやって来てもらい、サプライズでいろいろな趣向がある。
そこに気づきがあり、脳が活性化して、研修内容にリアリティを感じるのだ。
予め「アイスブレイク 1時間」とネタばれさせてどうするのか。
もしかして
「人と話すのが苦手な人は来ないでください」
「人と話すのが苦手な人は来ないでください」
と牽制する意図があるのだろうか。まさかねぇ
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