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2018年10月26日 (金)

五島サプライズ!頭ヶ島大橋をくぐるシーエンジェル

さっきまで五島という得体の知れない存在だったものが、現実の陸地感が出て来た。
しばらくするとスマホの電波が復活し、ここで船の異変に気づく。
Google mapの画面によると、船の現在位置を示す●が航路を外れ始めているではないか。
地図上には佐世保-有川の標準的な航路が転戦で描かれている。

本来ならば、まっすぐ有川へ向かうはずが、平島の手前で左に舵を切り、そのまま平島の南側へ回り込んでいく。
おいおい、そっちじゃないぞ。いったい、どこへ行くんだ?
そのうちに「2便シーエンジェル」は完全に平島の南へ回り込んでしまった。ここから頭ヶ島の東側を通り、元の航路に戻るならば、ずいぶん遠回りだ。

ところが、意外にも船は頭ヶ島の東側へ行かず、南側に回り込んでしまった。
船窓には大きく頭ヶ島。世界遺産登録記念のファンサービスなのか?
穏やかな五島近海、何事もないように、平然と船は進む。
こりゃ頭ケ島の橋くぐるみたいだぞ
そうしなければ有川に着くことはできない。
まるで五歳児のように胸躍りながら、窓に張り付いていると、案の定頭ヶ島大橋が見えてきた。
わっ本当に行くのか!ここ、相当狭いぞ。船長、チャレンジャーだなぁ

左側に黒く映っているのは窓枠です

「2便シーエンジェル」は、乗客にはほとんど減速が感じられない速度で赤い橋をくぐり、そして、あっという間に後方に追いやった。航路は割と自由なんだな。しかし、このサプライズはとても嬉しい。儲けた。
右手にフェリーの後ろ姿が見えた(13:40有川発フェリーありかわ)
航路が重なるから避けたのだろうな、きっと
有川湾に入ると右舷に見えるのは懐かしい新魚目町(しんうおのめちょう)*現在は新上五島町


爆睡から目覚めたハラ君に、あの建物がある辺りは丸尾ですかね?と尋ねる。彼はよく分からないという。翌日訪れたところ、やはりそこは丸尾で、見えていた建物は魚目中学校の前にできた「新魚目総合体育館」だった。
改装中で閉まっていたが・・

明日あのあたりを走ろうと思うのですが、コインパーキングとかありますかねぇ?その問いもハラ君を困らせた。
「五島でコインパーキングというか、(有料)駐車場をあまり見たことがないんで・・」
確かに僕が子どもの頃にはコインパーキングといったものは、まだこの世になかったが、さすがに今時、無いってことはないだろう。まぁ行ってみればわかることだ。それ以上問いかけるのは遠慮した。

ハラ君にお別れを言って彼が下船するのを見送り、僕はしばらく間を置き、ゆっくりと荷物をまとめる。すぐに着いて行くと、寂しくて不安なおじさんみたいだからだ(笑)
波止場へ降りる。
あぁ40年ぶりか
感慨はある。でも感動ではない。まだ、僕の気持ちは固まっていない。

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