そっちか!
そっちか!は、相手の反応が核心を外れている時のツッコミ。いつの頃から常用されるようになったかは不明だが、2010年代以降だと思う。
そっちか!に非難のニュアンスはない。
嫌いな相手、敵対する相手には使わない。現代社会ではそういう相手に対しては、その場はスルーして後で「陰口」を言う。
その手段は口頭に加えてラインなどのネットツールが使われる。
面と向かって「そっちか!」という時の顔は誰もが笑っている。そういう意味では、現代には珍しい健全なコミュニケーションワードである。
「そっちか!」を言われる時、たいてい、その相手はわざと核心を外している。すなわち「ボケている」
核心を外すボケに対して、お約束のツッコミが「そっちか!」なのである。
最近思わず「そっちか!」とツッコンだことがある。
ただ、目の前にいない相手、ネット・ニュースに触れた時だ。
2018年10月27日
阿部守一 長野県知事が「自転車利用に関する条例(仮称)」の今年度中の制定を目指す方針を明らかにした。
条例では運転者の賠償保険加入を義務づける方針。
長野県の自転車人身事故は928件(2017年)
同様の条例は、2015年に兵庫県が制定して以来、全国12自治体に広がっている。
東京都の場合、年間の自転車人身事故は6,210件。負傷者5,405人、死者8人。数値は大きいが条例の話しはまだ聞かない。
このニューに「そっちか!」とつっこんだのは、
1,実効性が低い
2,手の付けやすいところに着目している
3,核心を外している
以上3つの理由による。
1,実効性が低い
これらの条例には罰則規定が無い。
自転車保険料は、ネットで最安価格をしらべると、年払いでおよそ2,000円。
自動車保険に比べるとずいぶん安いが、そもそも、自転車ライダーには、保険に金を掛けるという認識はない。
2,000円ぽっきりで済めばいいが、自転車は長く乗るもの。
5年乗れば1万円。10年乗れば2万円の出費になる。
罰則がないのであれば、大半のライダーが、条例を知っていてもスルーするだろう。
2,手の付けやすいところに着目している
現実に死傷事故が起きており、損害賠償のために多額の負担を強いられるライダーがいる。
「転ばぬ先の杖として保険に入りましょう」というアプローチは反対を受けにくい。
人をはねることを前提にして、皆さん保険に入りましょうというのは順番が逆だ。
3,核心を外している
ものごとの本質として、まず、自転車ライダーに正しい行動を求めるべきである。
それには「教育」が必要である。
現在は「周知」努力もほとんどしていないに等しい。
「周知」では、行き届かないと考えるならば、免許制度に踏み込めば良い。
免許制度となれば、条例ではなく、道交法の改正という「全国」の話しにしなければならない。
今「自転車保険」を条例化した12自治体は、核心を外しているが、その努力に「意味が無い」わけではない。その努力をたたえたい。
核心を突いた策すなわち法律を作ることができるのは、唯一の立法機関である国会の皆さんである。