「ざーまに」「あっぱよー」
高速船が桟橋を離れる
後ろを振り返ると、指定席は半分くらいしか埋まってない
お盆で本土に出た人々が島に戻るのと逆方向だからだろう
有川を出て20分、船は有川湾を出る
右側の窓際(H列)をとったのは正解
船窓から間近に頭ヶ島を見ることができる
頭ヶ島に別れを告げ平島の沖まで来ると、船が揺れ始めた
もう読み書きは無理
景色を見るのみ
「冷たい部屋の世界地図」のイントロが流れ始める
魚目中の先生がLPを借してくれた「陽水IIセンチメンタル」のA面の1曲目に収録されていたこの曲は、僕が鯨波丸に乗る旅の相棒だった。
ウォークマンにイヤホンをつなぎ、プレイボタンを押下
去年の下関海響マラソンで使って以来、9ヶ月ぶりに取り出したイヤホンは壊れていて、右側からしか音が出なかった。
ヒフミちゃんに見送られ、上五島を出た日から40年
かつて住んだ町を尋ねる懐古の旅は、最後に五島だけを残していた
陸が続いていないということは、それだけ大きな障壁なのだ
いつか、必ず一度は行こう
そう思っていたが、一度だけ行こうとも思っていた
一度行って、今その場所がどうなっているのかを見れば、それで気が済むだろうと
2018年、夏、上五島
三日間、僕の町だった
また来るのもいいな
「ホテルメリッサ」に泊まり、お昼は「ヤキリンゴ」パンと缶コーヒー
夕飯は毎晩「竹酔亭」で日替わりの五島うどん
世界遺産「頭ヶ島の集落」が、これからどのように観光化されるのかは見てみたいけれど、他に何をするわけではない
ワゴンRを借りてそこらを走り
走れる靴を持ってきて「農道一周」を走る
走れる靴を持ってきて「農道一周」を走る
佐世保に帰り、かんころ餅のお土産を姉に渡す。
姉がもっとも気に入ったのは上五島高校の前に立っていた2枚の看板だった。
「あっぱよー」は「驚き」
「ざーま」は「たくさん」
を意味する五島の方言
この旅では旧友の誰とも会えず、観光客として扱われた僕に、五島民は標準語で応対したから、懐かしの「五島弁」をこの耳で聞くことはできなかった。
上五島の旅(おわり)
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