中野ブロードウェイの収穫
昔、知り合いの子どもがダウンジャケットから抜け落ちた羽毛のことを「pipiちゃん」といって遊んでいた。
僕はなぜそれがpipiちゃんなのかは、わからなかったが、羽毛を擬人化するなんて、今時の子どもは視点が斬新だなと笑った。
その日、僕は東京に来て20年で初めて中野に降り立った。
最終目的地は「中野サンプラザ」なのだが、少し早く着いて行ってみたい場所があった。
JR中野駅の北口を出ると正面に、幅の狭いアーケードの商店街が見える。それは「サンロード中野」そこを直進していくと目の前に見えてくるのが「中野ブロードウェイ」だ。

この数時間後、ステージの上で中野育ちのイルカが「私が住んでいた頃、まだ中野ブロードウェイもなかった」と言及していたから、中野といえばココと相場が決まっているらしい。
「中野ブロードウェイ」はサブカルチャーの聖地といわれる商業ビル。
1966年に開業、1980年に「まんだらけ」が出店して以来、玩具の店が多数出店しており、今もビル内に「まんだらけ」の店舗数がとびきり多い。
ただし、サブカルだけという訳ではなく、飲食店もあれば、服飾店もあるし、ダイソーだって入っている。
特に扉を開くでもなく、サンロードから自然にそのビルに吸収されていく。
フロアはB1~4Fまで全部で5フロア。
まずはエスカレーターと階段を使って4Fへ上がり、右回りでくまなく店を見て回る。
多いのは「レトロ玩具」そして「ガシャポン」「プライズ」などの中古品店。こういった店を見て回るのは慣れている。
1冊200頁の本を3分で読むように、ここでは長年のショップ巡回で培った「コレクター動態視力」を駆使して、心の奥に沈む「僕が欲しかったモノ」をザッピングしていく。
「G-SHOCK」や「ナイキスニーカー」のコレクターショップがないのは、そもそも趣向が違うのか。それとも淘汰されたのか。
地下の飲食店から漂う、スパイスの効いたお家カレーの懐かしい香りに大いに心揺らいだが、コンサート会場入りを前にしてカレーは無いだろう。泣く泣く断念して中野サンプラザへ向かう。
「古さ」と「数量」つまり「レア」の度合いには価値を置かないと決めているので、この日の戦利品はなし。
唯一の収穫は"集めている"顔出しボード「pipiちゃん」だった。

PiPi
中野ブロードウェイマスコットキャラクター
世界に1匹だけ確認されているピンクの鳥
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