シベリアのような中野サンプラザ
「今年は地球温暖化により、冬は短めで終わることにしました」
東京を管轄するお天気の神様は、そう言って「寒の戻り」無しで2月を終えようとしていたが、それでも18時を過ぎると冷え込んできた。いつになく風が吹いているせいで、そう感じるのかも知れない。
中野の風に吹かれながら、僕はあんこを挟んだ「シベリア」のようなカタチをしたビルを目指す。
そのビルは、中野ブロードウェイを出てすぐ、大通りの向こう側に見えた。
僕のように地方育ちの人間にとっては、サンプラザ中野には馴染みがあっても「中野サンプラザ」には縁が無い。
ずいぶん前「近々取り壊される」と元春仲間が話していたと思うが、そのビルはまだ立派にそこに建っている。
中野サンプラザが取り壊されることについては、この日イルカもMCで言及していた。過去記事によると2018年4月に中野区長が「2024年前後に解体」と表明している。
正面からではなく、脇の入口から入ると、そこは、コンサート会場というよりは、結婚式が立て込んでいる斎場といった塩梅だ。
壁に仕込まれた「会場のご案内」ボードには「キリンビバレッジ中央経営協議会」「2019春の商品展示会」と並んで「イルカ&太田裕美~青春のメモリー~」が記されている。
ただ、一階を埋めている人々が、いったい何処にやってきたのかは、その年代が極端に偏り集中していることで一目瞭然だ。
17:57
ほどなく開場の時刻となり、その集団は階段で二階へ上り始める。こんなに大勢の人に階段を上らせて、皆さん、足腰は大丈夫なのだろうかと不安になりながら、こんなところで将棋倒しに遭いたくないので、左寄りの手すりを確保して登る。
登り切ったところでは、割と年配の係員が切符を切って、場内の入口を叫んでいる。
都心のコンサート会場でよく見かける黒服の若者は皆無。
フライヤーは渡されなかった。もちろん、手荷物検査もない。
席に着く前にトイレに行くと、これがまた階段で階層が深い。
女子トイレに限らず、男子トイレも行列だ。
男子トイレで人が並んでいるコンサート会場を初めて見た。
誰もが「近くて」心配なのである。
誰もが「近くて」心配なのである。
ワンドリンク制というわけではないが、乾燥対策として売店で150円のお茶を買う。
コンサート会場でありがちな、気取った透明のプラコップでもらって立ち飲みではなく、ペットボトル売りで客席に持ち込めるのが実直でよい。
前から18列め。
持参した双眼鏡が活躍しそうな距離感はあるが、それほど見づらいということはなさそうだ。
座席は通路に面した端っこ。両隣りの席が1つ少ないということはそれだけリスク要因が少ない。
コンサートでは、3時間弱の時間を見知らぬ人と間近で過ごす。足を組んだり、境界線をはみ出してきたり、臭かったり、肘掛けを使われたりするのは、あまりいい気分ではない。
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