リアルタイムミーティングとタイムラインミーティング
1990年代、僕らは週末の土曜深夜になると、パソコン通信ニフティの「RT」に集まった。
RTというと、現代では Re-tweet リツイートの略語として使う人が多いが、そうではない。
Real Time meeting のRT
僕らはそれを「あーるてぃー」と呼んでいた。
今晩も23時から恒例のRTやります。
オンラインでおしゃべりしましょう!
主催者が告知する。
ところが、23時になって行ってみても誰も居ない
まだ、みんな、どこかを呑み歩いているのかな
と独りごちて、30分後に出直してみるとケイコちゃんが独りぼっちでログインしている。
2人で話し始めると、すぐに、仲間がログインしてきておしゃべりが始まる。
東京、名古屋、大阪、神戸、福岡・・
全国に散らばっている仲間が、まるで、同じバーで呑んでいるかのように会話が弾む。
それを支えていたのは、高速なタイピングと、豊富な話題の引き出しだった。
2000年代に入り、遠隔地をつないだ会議をやる人たちの方法論は2つに分かれた。
一つは「TV会議」
これはハードの専用設備、回線確保にお金がかかる割には、映像・音声ともに不鮮明・不明瞭で、ほとんど普及しなかった。
もう一つは「チャット」という名前で定着していたオンラインミーティング
インターネットの「常時接続」があたりまえになっていたため、特別なコストがかからないチャットに、普及を阻害する要因はないかと思えた。
しかし、普及しなかった。
阻害要因は人にあった。
低速なタイピングと、貧困なアイデア
同じようにパソコンに向かっているのに、発言する人は限られている。それはミーティングというより、独演会に近かった。
2010年代
「TV会議」はskypeで手軽に実現できるようになった。
「チャット」に替わる手段としては、タイムラインで表示される情報共有ツールが流行した。
プライベートで使っている「タイムライン」のインターフェースだから、親しみやすい。
そんな売り文句で、いくつかのサービスが覇権を争っている。
だが、タイムラインミーティングでどれだけ、建設的な意見が育っていくのかは疑問だ。
どんなツールを使っても、元々、経験に基づくアイデアが貧困な人は発信する中身がない。
結果的にある一定の人だけが発信することになり、それならば共有ストレージににファイルを置けばいい。
ほとんどのタイムラインツールは、ネットワークストレージやスケジューラーがついている。それは、まさに「グループウェア」
そこに「シナジー」とか「コラボレーション」があると言い張る人は、幻想を提示して無能を隠そうする人たちだ。
独創的、建設的、革新的な発想は、そんなところから生まれない
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