意外と揺れるリニア「L0系」
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見学センターから神奈川方面へ進んだリニア「L0系」は実験線の東端で停止すると、間髪を入れずに名古屋方面へ進み始めた。
この素早い切り返しは、運転士が乗り込んで操縦する鉄道にはできない芸当だ。
実験車両「L0系」には運転士は乗車していないし運転台もない。
この日から遡ること5日前に、イメージ画が公開された新型車両では、先頭車両に「運転席の窓」のようなものが映っていた。
JR東海は「前方視認用カメラの位置を変えた」と説明しており、運転台というわけではないようだ。
改良型新型先頭車両は2020年に完成。
現在の「L0系」と組み合わせた編成になる見通し。
いよいよリニアが「前進」に入った。
先ほどまでもリニアは「前進」していたのだが、乗客の座席に対して後ろ向きに進んでいたため、我々からすれば「後進」だった。
速度が上がると再びリニアは「浮上」走行に移行した。
一旦「500km/h」に到達すると、今度は航続時間が長い。
車体が小刻みに振動しており、意外と揺れるという印象がある。
ただし、飛行機のようにエアポケットに入って、どーんと落ちたりすることはない。
「安定した揺れ」というところだ。
この乗り心地は、東海道新幹線に似ている。
E2~E7系でフルアクティブサスペンションを採用している車両の静寂には及ばない。
時折トンネルを出て車窓から近隣の山々が見えるが、コースの両脇のコンクリート壁が高く、視界の下側3分の1は壁に遮られている。
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僕らを乗せた「L0系」は、8分でコースの西端に2.4kmを余した地点で静止した。この2.4kmが不測の事態に備えるためのマージンなのだろう。
この映像から、コースの底面はごく普通のコンクリート道であることが見てとれる。
座席の背もたれには新幹線と同様のテーブルが組み込まれているが、留め具が動かないよう固定されており使えないようになっていた。
テーブル下には、これも新幹線同様、ネットの物入れ。ここには先ほど説明会場でもらったお土産を入れた。
その左側には野球場などで見かける、折りたたみ式ドリンクホルダー。こちらは使うことができた。これは新幹線には無いものである。試乗客の給水用として「試験車両限定」なのか、営業運転を想定したものかは不明。
「L0系」は再び神奈川方面に向けて「バック」を始める。
この時、前方のモニターが進行方向先頭車両のカメラ映像が映っていることに気づいた。
脳は視覚に騙される。体は後ろに下がっていても、目で見ている映像が前進しているので、あたかも前進しているかのように感じていたのだ。
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