「謝らない族」は言いなりママ
謎の「一ヶ月前母娘」はとなりの車両へと去って行った。
2人がいなくなると、ヤンママ夫婦が呆れている。
「だいたい、有効期間は一ヶ月やないよね?だいたい、どないして改札通ったんやろ?」
どうやら関西在住らしきママが不思議がる。
「新幹線からの乗り継ぎで入れてしまったんじゃないかな」
割と標準語の旦那が訳知り顔で推察する。
そうして、この4人家族はバラバラに座った。
ヤンママが僕のとなり。廊下を隔てて旦那。その窓側に男子幼児。お姉ちゃんが1人で旦那の前。
恐らく、直前に切符を取ったのだろう。
計画性というものはないのかな?
いや、急に休みがとれたのかも知れない・・
いずれにせよ、僕の知ったこっちゃない
そして、この家族のおかげで僕の気ままな列車旅は台無しになるのだった。
列車が二日市に着く前に、早くもそれは始まった。
旦那のとなりでぐずっていた男子幼児、仮にノリヤス君としよう。
ノリヤス君が「ママのとなりがイイ」と言い出した。
ママはダメだよと言ったが、旦那は強く静止しない。
きっと、彼も日頃の仕事で疲れているのだ。
ママのとなりは僕の席だ。
「じゃ譲りますね」という訳にもいかない。
ノリヤス君はママのお膝にできるだけ抽象的な恰好でダイブする。
そして「こっちがイイ」と言って足をばたばたさせる。
その足がジャージを履いた僕の足を連打する。
するとママは軽くノリヤス君の足の位置を修整
僕は次の言葉を待つ
「・・・」
ママは無言だ。
そうだ。彼女も「謝らない族」なのだ。
「謝らない族」を研究している僕の調査によると、東京の都市部では非常に比率高く分布している。そして、ママの言葉からすると関西にもそれは広がっているようだ。
今回の里帰りで、佐世保の人々を観察したところ、佐世保では「謝る族」の比率が高かった。
それに、そもそも佐世保の人は体の接触を嫌い、見知らぬ人とは距離をとる。
路線バスでは、2人がけ席の大半は1人が窓際に座っていて、そのとなりは空席。しかし通路にはたくさんの人が立っている。東京ではあり得ない光景だ。
ノリヤス君は足をばたつかせるのは止めたものの、ぐずるのを止めない。
そこでママが「ばぁばのケータイしよか?」と提案すると、彼はすぐにそれを受け取り何やらゲームを始めた。
ぴゅん、しゅっ、ずどーん
公共交通機関内では、周囲の人に配慮して音は消して欲しい。
そんな僕の願いも空しく、ノリヤス君はさらに音量を上げる。
さすがにママが「ダメ」と言って音を下げると
「あか~ん」
ママが「ママもちょっとさせて」と言うと
「あか~ん」
ママが「他のしようか」と提案すると
「あか~ん」
「謝らない族」は、いいなりママだった。
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