僕が博多に住みたいと想った理由
上下スポーツカジュアル(ジャージ)でスーツを買いに来る人は滅多に居ない。場違いな店に迷い込んだ僕に店員の皆さんも、どうしたものかと態度を決めかねている。
僕にとって幸いだったのは、店の作りを熟知していて、どこをどう抜ければ表通りに脱出できるかがわかっていたことだ。
天神の交差点がドアの外に見えた時、一瞬余裕を見せてスーツを値踏みするフェイントを入れたが、すぐに表に出た。
外は暑い。
すぐに次の商業施設へ入らなければ。
既に数年前「まんだらけ」は閉店している。
かつてショッパーズ天神だったビルは「ミーナ天神」
ダイエー跡はイオンショッパーズ天神に替わっていた。
一時代を築き栄華を誇ったダイエーの旗艦店をジャスコが買うなんて。僕はそこに世の栄枯盛衰を想いつつ、店内へ。
2Fはフロアまるごと「TSUTAYA」
人々が冷たいものを置いて本を読んでいるところをみると、どうやらここは代官山TSUTAYAの流れを汲むブックカフェらしい。
4Fはフロアまるごとダイソー
ひなびた店の昼下がり
ダイソーの前にたたずみ
ジャージの僕は、画一化の波をひしひしと感じていた。
ダイエーはかつて、最上階8Fまで店舗だったが、現在、店舗は4Fまで。5F以上はオフィスが入っている。
そろそろ、博多駅へ戻ろう
再び路上へ
しかし、まだ暑い
ここから地下鉄「天神」駅までのわずかな距離すら歩くのが辛い。
「運動には使用しないでください」
とタグに記されている「MEXICO 66パラティ」を履いてきたお蔭ですっかり左足を傷めてしまっていたからだ。
幸いそこは「ノース天神前」バス停
ちょうどやってきた博多行きのバスに乗車して、懐かしい博多の町を走る。
僕が受験でこの町に来た日、数年後に開通する福岡市営地下鉄の工事中で道路は大渋滞。博多駅から試験会場の西新まで50分を要した。
ふつうはそこでうんざりするのだろうが、僕はその真逆。
佐世保で50分もバスで走ったら平戸まで行ってしまうし、その間の車窓はずっと田園風景だ。
しかし、博多の街は行けども行けどもビルが途切れない。50分かけて西新に降りた時も周りはまだビル街のまま。
こんな光景見たことない。
それが、僕がこの街に住みたいと想った理由だった。
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